にこにこ通信 150号 ~利用者のトシさんのお話~

 日中は夏のような暑い日が続いたかと思うと、急に冬のように寒くなってきて、にこにこでは10月18日に、暖房をつけました。

 デイサービスセンターにこにこは、高齢者だけではなく支援が必要な若い人も生活介護という制度を利用されています。

 夏に体調を崩されて入院中だったトシさんは、9月の終わりに退院され、今まで通り週3回の生活介護でデイサービスを利用されています。入院前には、ポッコリしていたおなかはスッキリして体調はすっかり戻ったようです。約2ヵ月の入院生活は、ご本人にとっては、それなりに快適だったようです。「食事がおいしかった」「ほかの患者さんにモテモテやった」と笑顔で話されています。

 にこにこでも、今まで通り入浴され食事も残さず召し上がられ、午後のカラオケタイムでは、お得意の演歌を歌っていらっしゃいます。そして、他の人が歌うときには「なに歌うの?」と聞いて、機械を操作してくださっています。

 また、同じように生活介護を利用されているトシユキさんは、タブレットでマージャンゲームをするのがお好きです。「あがりました。テンパイしました」と、時々大きな声でおっしゃいます。「よかったな、強いな」と、マージャンをよく知らない職員に代わってトシさんが応じてくださっています。ゲームの途中でアドバイスを求められる事もあり、2人で盛り上がる時もあります。

 にこにこで過ごす時間は、いろいろな体験をしていただけるように、利用者さんに作業やお手伝いを提案しています。トシさんは、時々畑仕事で汗をかくこともあります。にこにこでは、知り合いから畑を借りてさつま芋と枝豆を作っています。10月の初めころに収穫を手伝っていただきました。さつま芋は、焼き芋にして販売する予定です。子ども達や職員と一緒に外で作業することは、トシさんの生活のひとつのアクセントになっているようです。

 おひとり暮らしのトシさんは、そうじや買い物などはヘルパーさんに手伝ってもらい、薬や体調の管理は訪問看護師さんにしてもらっています。そして、週3回のデイサービスと通院介助を利用され、いろいろな立場の人がトシさんの日常生活を支援しています。

 トシさんにとって入院生活も、それなりに快適ではあったようですが、「やっぱり今の生活が、ええわ」とおっしゃっています。いくつかの病気を抱えての生活ですが、できるだけ楽しくいきいきとその人らしく暮らせるように、共に考えていきたいと思っています。