にこにこ通信 151号 ~焼き芋販売で人とつながる~

 宇陀市にある「カエデの郷ひらら」の木々もきれいな赤や黄色に色付き、すっかり秋らしくなってきました。デイサービスセンターにこにこでは、11月の初め頃から、児童館の玄関先で焼き芋の販売を始めました。

 サツマイモは、児童館の砂場や知り合いの方の畑を借りて育て、収穫したものを新聞紙の上に並べて数週間乾燥させた後、段ボールの中に入れて、その上からもみ殻を被せて保管しました。

 宣伝用のチラシは、新聞折込や、にこにこのご利用者のヒロさんに手伝っていただき、近所の家を一軒ずつ歩いてまわって、ポストに投函しました。歩いていると、時々ヒロさんの知り合いの方と出会うことがあり、「私のこと覚えてる?」「頑張ってね」などと声をかけていただくことがありました。

 焼き芋の販売期間中は、にこにこを利用されている養護学校の生徒さんの実習日でもあり、サツマイモの収穫や、収穫したイモの箱詰め、焼き芋の下準備、のぼり旗立て、接客などのお仕事を体験されました。最初の頃は、お客さんが来ても椅子に座ったままだったり、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」などの挨拶が上手く出来ていなかったりしていましたが、その都度スタッフからどうすればいいのかアドバイスをもらい、自分なりのペースで一生懸命仕事に取り組まれていました。

 注文が入れば焼き芋の配達も行っており、人と会うのが好きなヒロさんは、素敵な笑顔と一緒に焼き芋をお客さんの所へ届けてくださいました。また、高校生のアユくんは、いつもお世話になっている近所の理容室へ焼き芋を届けに行き、店員の方からお礼の言葉をもらっていました。

 じっくり時間をかけて焼き上げた焼き芋は、黄金色でねっとりとして蜜がたっぷりで、購入されたお客さんやにこにこの利用者さんたちから、「甘くておいしい!」と好評をいただきました。以前に焼き芋を購入された方が、「おいしかった」と言って何度も児童館に買いに来てくださることもあり、今年の焼き芋も大成功となりました。

 にこにこの焼き芋は、来年の3月まで毎週水曜日の販売を予定しています。

 サツマイモの収穫から焼き芋の販売までは、スタッフだけでなく、様々な利用者さんや地域の方が携わっています。にこにこの利用者さんたちの仕事の場や、地域の方との交流の場としても定着できるように、みんなで力を合わせて、これからもおいしい焼き芋作りを続けていこうと思います。