にこにこ通信 152新年号

 新年明けましておめでとうございます。新年を迎えれば気持ちをリセットして、今年も頑張るぞという気持ちになるものですが、今年も先行きに不安を感じる新年になりました。ワクチン接種とマスクの着用、手指消毒とうがい、「3密」の回避により新型コロナウイルスの新規感染者は減少して、様々な規制が緩和されてきました。日常が戻りつつありますが、ウイルスは変異を繰り返しています。新たな変異株の出現で第6波の到来が警戒され、3回目のワクチン接種が準備に入っていますが、世界的に見れば、減少してきた乳幼児の死亡数がパンデミックのなかで、増加に転じるという緊急事態になっています。

 特に、アフリカ南部の国々や南アジア諸国では、パンデミックにより脆弱な医療体制が弱体し、貧困家族が急増して、数百万人の子どもが急性栄養不良に陥ると言われています。ワクチン接種も進んでいません。世界全体でワクチン接種が進まないと、新型コロナウイルスの終息はなかなか見えてこないと思います。ワクチン接種についてですが、副反応についての情報が正しく伝えられていません。八木一男福祉会の職員と利用者さんの多くが、2回接種を終了していますが、60歳以上の職員には副反応が見られなかったのに、以下の職員や利用者さんには、全員2回接種後の次の日に高熱とだるさ等の副反応がありました。3回目の接種後はどうなるのか、もっと情報が必要です。企業によっては副反応があることを前提にして、接種する日をわける等の工夫をこらしています。

 こうしたなかで東京オリ・パラが開催されましたが、オリ・パラを前後して、緊急事態宣言が各地で出されました。管首相の「安全安心の大会」とは裏腹に感染拡大は続きました。大会関係者は否定しますが、東京オリ・パラが第5波の感染爆発を招いたことは明らかです。

 東京オリ・パラが閉幕し、ワクチン接種がすすんで新規感染者が減少するなかで、衆議院選挙が告示されました。投票率55.93%は戦後3番目の低さで、モリカケ・サクラ疑惑をごまかしと官僚の忖度で乗り切り、コロナ禍でのアベノマスクに代表される、失政を続けた安倍政権への厳しい審判がくだされると思っていましたが、残念な結果になりました。

 昨年は米国副大統領にカマラ・ハリスが選ばれたことに期待をもちましたが、日本でも期待を抱ける政党が選挙で頑張っていました。多様な候補者を国会に送りこんでくる政党です。今年の参議院選挙はどんな候補者を選んで闘うのか、期待がふくらみます。

 そんな一年でしたが、デイサービスセンターにこにこの利用者さんたちは、コロナ禍のなかをボツボツと自分のペースで日常生活を送りました。

 大きな出来事としては、昨年は前年の反省から、野生動物対策として柵のある畑を借りてサツマイモのツルを500本植え、10月末に収穫できたことです。収穫日は特別支援学校高等部の生徒さんの実習とも重なり、300㌘~1㌕のサツマイモを1,000個収穫できました。サツマイモの保存の適温は14℃です。収穫したイモは寒さでいたまないよう、籾殻をいれたダンボールに保管して、11月2日より焼き芋にして販売しています。以前、近くの鉄工所で作っていただいたドラム缶の「焼きいも道具」に改良を加え、新たに二つ作っていただき、今までの倍以上に焼ける準備をしました。炭は御杖村のクヌギとナラの木を焼き上げたものです。試作をかさねて販売も繰りかえしました。味は好評です。今は毎週水曜日だけの販売ですが、一個300円~500円で販売し、配達もして800個程売れました。ビラ配りや配達にはヒロ君やアユム君、ユウキ君も職員と一緒に行きました。デイサービスセンターにこにこは、焼き芋と一緒に笑顔も届けています。

 コロナ禍のなかで、育児や介護で自宅に引きこもってしまったり、地域で困難を抱える人たちは増加し、所得の格差も広がっています。デイサービスセンターにこにこは、困難を抱える人たちによりそい、夢と希望が実現出来るよう、今年も共に歩んでいきたいと思っています。