にこにこ通信 164新年号
新年あけましておめでとうございます。昨年は世界的にはロシアのウクライナ侵攻とロシアへの制裁措置によるエネルギー価格の高騰、地球温暖化と気候変動によるヨーロッパや東アフリカの干ばつと、国土の3/1が水没したパキスタンの大水害等、本当に地球と世界がよくなっていっているのかと、考えさせられるような大きな事件が多発しました。
国内での出来事を振り返れば、夏の異常な高温と参議院選挙最中での安倍元首相への銃撃事件とその後の国葬問題、安倍元首相の銃撃事件で明らかになった、政治と旧統一協会(世界平和統一家庭連合)との癒着、そして、霊感商法や高額献金で家族を破滅においやる旧統一協会の被害の実態がつぎ次と明らかになってきています。言葉巧みに献金をさせ、あとあと事件にならないように自分の意志で献金したように巧妙に証拠を作る手口は、犯罪以外の何物でもありません。寄付するために子どもに長期のローンを組ませ、そのローンを支払っている若い人達が少なくないと言われています。国会での高額献金を規制する高額寄付被害救済・防止法が成立しましたが、新法は全ての被害者を救済する法律でなくてはなりません。
近年、詐欺の手口は巧妙になってきています。高齢者をねらったもの、若者をねらったものなど、こうした詐欺事件をみるにつけ、本当に世の中は良くなってきているのか、若い人達が希望を持てる国になってきているのかと思います。
そんな一年でしたが、デイサービスセンターにこにこの利用者さんたちは、元気に過ごすことができました。コロナ禍のなか、マスクの着用と手指消毒とうがい、室内の喚起やアルコール消毒は欠かせませんが、一昨年から継続している焼き芋の販売で得た利益で、昨年の四月には三重県の二見シーパラダイスへ観光バスで旅行しました。参加した利用者さんたちは、イルカやオットセイ、セイウチのショーに大喜びで、普段はマスクをつけないヒロ君も二見シーパラダイスでは終始マスクをつけて行動することができました。家族へのお土産を買うのを、楽しみにしている子どもたちもいました。旅行に行く前から何を買うかは決めていたようで、伊勢の名物の販売所の前に立ち、みんなにアカフクの売り場を教えていました。翌日、お土産を家族から喜んでもらえたと嬉しそうに話していました。
子どもたちの利用者さんのなかには、発達しょうがいの特性を持つ子、自閉症の子、身体にしょうがいを持つ子等、様々な困難を持つ子どもたちがいます。デイにこにこでは、それぞれの子どもたちの特性を考えながらも、子どもたちが、社会との関係づくりに躓かないよう支援しています。人は、人との良い関係づくりをしながら、成長していきます。自分のしたことが相手から喜んでもらえたり、ほめられたりしたらうれしくなります。そんなうれしいことや楽しいことが積み重なって人との信頼関係を築き、豊かな社会生活を送ることができると思っています。
重いしょうがいをもつヒロ君とアユ君の共同生活も九ヵ月がたち、グループホームでは、寝室で職員も含めて三人で川の字になって寝ています。朝は、六時に起き、夜は九時半に就寝です。二十五歳と十九歳の年齢からすると健康的な生活を続けていると言えますが、同年齢の人との生活と比べて、本当にこんな支援を続けていて良いのかと、考えることがあります。人生百年時代と言われていますが、飲酒は別として、レストランで外食をしたり、買い物をしたり、コンサートに行ったり、など同年齢の人達が楽しんでいることを普通に楽しめるような支援が必要です。
一昨年から、毎週水曜日におこなっている焼き芋の販売に彼らは自分の個性を活かしながら、時にはお客さんに笑顔で愛想をふりまきながら、準備と販売を手伝ってくれています。
私たちは、デイにこにこの利用者さんと地域との関係づくりを通して、デイにこにこが、「あそこに行けば、あの人に会えば、何かほっとする」と思われるような、地域の癒しの場所になるよう、利用者さんの社会参加を支援していきたいと考えています。
今日の格差社会のなかで、社会のセーフティーネットが弱くなり、誰もがホームレスになりうる社会ですが、私たちも様々な困難を持つ人たちが豊かな生活を送れるよう、今年も頑張っていきたいと思います。
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