にこにこ通信 190号 ~成長を喜び、別れと出会いに悲喜こもごも~
一番寒い2月になりました。ときおり朝目覚めると雪景色という日もときどきあり、灯油やガソリン価格が高止まりしている状況で、体もふところも寒々しい季節です。
そんな中、心温まる話題がありました。
小学校1年生からデイサービスセンターにこにこの放課後等デイサービスを利用しているコウちゃんが中学3年生になり、高校受験をして、第1志望の高校に合格が決まりました。
さらに、第43回全国中学生人権作文コンテスト奈良県大会でコウちゃんが書いた作文が、奨励賞を受賞しました。大淀町で開かれた授賞式に出席し、賞状をもらってきたそうです。
コウちゃんは、自閉症スペクトラムで、軽度の知的障がいがありますが、作文に自分の障がい特性について表現し、自分の周りの人が理解してくれていること、障がいのある人を差別してはいけないこと、地域や社会で差別をなくしていかなければならないことを強調し、今後も前向きに生きていきたいと表現しています。
コウちゃんは、人と上手に接することが苦手で、小学校1年生からいままで、デイでも、学校でもさまざまなトラブルを経験しながら、そのつど何とか乗り越えてきました。
コウちゃんは絵を描くのが好きで、美術は得意科目です。小学校のころ、数百あるポケモンのキャラクターの中から、百以上のキャラクターを記憶で描いてみせて、周りを驚かせました。
この春、いままで放課後デイを利用してきた、ソウちゃんとチーちゃんが二階堂養護学校高等部を卒業し、生活介護の事業所に通うことになりました。
ソウちゃんは聴覚障がいと知的障がいがありますが、小学校の時からカラオケが大好きで、「アンパンマン」の歌を踊りながら、満面の笑顔で歌っていたことが印象に残っています。
チーちゃんは、澄んだ声でお気に入りの1曲を毎回しっとりと歌い上げ、聞いている人の心をいやしてくれていました。
生活介護の事業所に通いながら、これからいろいろな仕事を覚え、一人で生きていく力を身につけていってほしいと願っています。
デイサービスセンターにこにこを卒業する子がいれば、この4月から新しく利用を始める子が3人います。2月の末に児童発達支援の事業所の先生と、しっかりと情報共有しながら、受け入れ準備をしていく予定です。
春になれば、別れと出会いの季節になりますが、2007年10月の介護保険の「デイサービスセンターにこにこ」の立ち上げから17年がたち、これまで数えきれない出会いと別れがありましたが、涙と笑いにあふれたすてきな思い出ばかりです。
とくに子どもたちが、紆余曲折を経ながら、生きていく力を身につけ、社会に巣立っていく過程で、ほんの少しのお手伝いをしてきましたが、スタッフ全員、切磋琢磨しながら、人生の伴走者としてこれからも努力していきたいと考えています。
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