にこにこ通信 97号 ~畑作業を通してこころがつながる~
デイサービスセンターにこにこのシンボルツリーである八重桜が、やっと咲いて春が来たなあと思っていたら、あっという間に散ってしまって、宇陀は新緑の季節になりました。
去年から本格的に取り組み始めた農作業の季節です。児童館の裏の畑にはジャガイモが元気よく育ってきています。表玄関横の元砂場の畑にも、サツマイモの苗を植える作業が始まりました。にこにこの利用者、トシさんは「畑仕事はしたことがないけど、やってみようか」と苗植えを手伝ってくださいました。同じように畑仕事初心者の職員と二人で「これでええんかなあ、こんなもんやなあ」と言いながら、70本の苗を植え付けました。5月初旬の作業でしたが、二人とも汗びっしょりになりました。苗を植えながら、トシさんは、今ひとり暮らしになって、食事の支度や洗濯を自分でやっていることや、以前やっていた仕事の話などをされました。デイの部屋の中にいるときは、あまりご自分のことは話されないトシさんですが、戸外でのんびりした空気の中では、気分がほぐれたのか、いろいろな話をしてくださいました。趣味の釣りの話では、大きなヘラブナを釣り上げたこと、イクラでアマゴを釣ったことなどいろいろな話題で盛り上がりました。用意した苗を植え終わると、じょうろでていねいに水をやってくださいました。「久しぶりに汗かいたなあ」と言いながら、今植え付けたばかりの苗を見て満足そうでした。
次の日、別の所に借りている畑の苗植えにも、ほかの利用者の方やスタッフといっしょに行ってくださいました。「前の日にもやってたから、うまいことできたで」と笑顔で戻ってこられました。
にこにこでは、サツマイモを育てて、毎年開催される人権フェスティバルのバザーに焼き芋を出す予定です。これから、水やりをしたり草引きをしたりという作業が必要ですが、利用者の方といっしょに畑仕事を楽しみながらやっていきたいと考えています。作業をしながら、みなさんといろいろな話ができたら、おひとりおひとりともっとわかりあえると思います。また、畑にいると近所の方が声をかけてくださったり、農作業のベテランの方がアドバイスをしてくださったりと、地域の方との交流も楽しみのひとつです。
そして、秋にはみんなで芋ほりをして、地域の方や人権フェスティバルに参加された方々においしい焼き芋を食べていただきたいと、今から楽しみにしています。
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