にこにこ通信 98号 ~温かみのある支援を目指して~
季節はすっかり初夏を迎え、今年もすでに半年が経ちました。
4月からグループホームに入所されたヒロさんは、初めのうちはなかなか寝付けず、夜中に目が覚めてそのまま朝まで起きてしまい、安定した睡眠が取れない日が続いていましたが、今ではほぼ毎日朝までグッスリ眠ることができるようになりました。
入所後も、ヒロさんは今までどおり、月曜日から金曜日まで毎日生活介護を利用され、午前中はストレッチや軽体操に始まり、天気の良い日には運動不足を解消するために散歩へ出かけ、時には空き缶つぶしやあおさなどの販売作業も行っています。
また、入所してからは朝昼晩の食事をグループホームで食べることになったので、ヒロさんの仕事に食材の買出しが新しく加わりました。スタッフと近くのスーパーに出かけ、買い物かごを持ち、一緒に食材を探して店内を歩きます。人がたくさんいて音楽も流れている店内では、ヒロさんも楽しくてつい大きな声を上げてしまったりすることもあります。
ヒロさんは力が強く、指先の細かい動きが苦手なため、野菜などの掴みやすいものは手で掴んでかごへ入れてもらっています。そうして全ての食材をかごに入れ終えたら、レジに並び、一緒に会計を待ちます。待っている間もレジの機械や店員さんに興味津々のヒロさんですが、会計が終わるまでとなりに並んで待ち、店員さんからおつりを受け取ったり、袋詰めをしたりと、ここ数年の間でできることがたくさん増えました。
そんなヒロさんが今最も楽しみにしているのは、タブレットを使う時間です。自分で好きな動画を探して何度もくり返し見たり、そうかと思えば画面をタッチして次々と違う画面に切り替わるのを楽しんだりしています。また最近では、タブレットに付いているカメラを使って写真や動画を撮ることにも夢中です。誰かに使い方を教わったのではなく、適当に操作しているうちに「こうすれば写真が撮れる」ということを学んだようで、正面に誰かが座るとすぐにカメラに切り替え、画面に映るお友だちやスタッフの姿に大興奮しています。
入所する以前は、今までと違う環境での暮らしにヒロさんが上手く馴染めるかスタッフは心配でしたが、タブレットやテレビを見て一人で過ごせる時間が増え、規則正しい生活を送れるようになり、最初の頃よりも随分リラックスして過ごしてくれているように感じます。
今後、新たに入所される方々にとってもグループホームにこにこが安心して過ごすことのできる我が家となるように、スタッフとして働かせてもらっている自分自身も楽しみながら、温かみのある支援を目指していきたいと思います。
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