にこにこ通信 9号

 デイサービスセンターにこにこは、いろいろなボランティアの人たちに支えられて日々活動しています。

 ある80代の利用者の方は、ご自分の初恋の話や小学校時代の先生の話などを1日中されます。私たちスタッフは、できるだけ利用者さんのお話を伺うように心がけてはいますが、80代の方の小学校時代の話にはおつきあいできません。そこで同じ80代のボランティアの登場です。「そうやなあ、○○先生っていやはったなあ」とか「その人は、もう亡くなったで」とか、お話が弾みます。いっしょに座って昔話をし、いっしょにカラオケを歌い、いっしょにおやつを食べて利用者さんがお帰りになられる時刻になると「また、来週な」と言って同じように帰られます。これだけのことですが、この利用者さんにとって、彼女と話すことが「にこにこ」に来る楽しみのひとつになっているのではないかと思います。

 また、なにげなくふらりと立ち寄ったというような感じで来て、利用者さんやスタッフといっしょに朝の体操をしたり、今月の歌を歌ったりしてくれる人もいます。彼女は、介護福祉士の資格を持っているので利用者さんが車いすに移るのを手伝ったりするのも手慣れたものです。時にはいっしょにお昼ご飯を食べ、食事介助が必要な人の介助を手伝ってくれたりもします。

 それから、元美容部員の方が来て利用者さんにメイクをしてくれたこともあります。「わたしは、いいわ」とおっしゃっていた方も、他の方がメイクをしてもらっているのを見て「じゃ、わたしも」と鏡の前に座られ、何年かぶりでお化粧してきれいになった顔をお互いに見てにこにこなさっていました。何歳になってもきれいに装うということの力は大きいと実感しました。

 デイサービスセンターにこにこは、住宅地にあってごく普通の民家を改修した建物ということもあり、だれもが気楽に立ち寄っていただきやすい場所です。

 これからも地域の方々のいろいろな力をお借りしながら、利用者さんもボランティアの方もスタッフもいっしょに楽しい時間を過ごせればいいなと考えています。