にこにこ通信 3号
デイサービスセンターにこにこでは、月曜日から金曜日は高齢者・しょうがい者を対象に、土曜日はしょうがい児を対象にデイサービスを行っています。
今回は、土曜日に行っている児童のデイについて紹介します。二階堂養護学校小学部5年生の子が1人利用しています。ビデオと太鼓と盆踊りとドライブが大好きな彼は、毎週土曜日の9時から5時までスタッフ2人といっしょに過ごします。
独特のこだわりを持っている彼とのつきあいは、最初はビックリすることばかりでした。ビデオは早送りでしか見ません。ドライブに行っても自分が気に入らない場所では、絶対車から降りようとはしません。お昼ご飯も食べたくない気分の時はどうしても食べません。
しかし、何回かいっしょに過ごしてみて彼のことがわかってくると、内容がさっぱりわからない早送りのビデオをいっしょに見る事も、用意した食事を食べなくてもそんなに気にならなくなって、彼のペースで過ごすことが苦にはならなくなってきます。
彼は、5年生になって学校ではとても頑張っているそうです。ここでは考えられない姿ですが、給食は1人で食べるそうです。この「にこにこ」が、そんなふうに学校で頑張っている彼の息抜きの場であればいいなと考えています。そういう意味で、彼のペースに合わせて1日を過ごしたいと考えています。
6月の最終土曜日、学校の先生や子どもたちや保護者もいっしょの「ひだまりツアー」という行事にスタッフ2人といっしょに参加しました。電車に乗って奈良公園へ行き、鹿と大仏さんを見るというツアーです。奈良公園は初めてという彼は、鹿を見てどんな反応をするか私たちは、興味津々でした。彼は初めちょっとこわごわ触っていましたが、鹿がおとなしいとわかったら、毛を引っ張ったり口をつかんだり、しっぽを持ったり、けっこう乱暴な行いをしていました。しかし、鹿せんべいを持っていて鹿に囲まれると怖がっていました。その日の夜、鹿たちがしゃべれたら、「きょうは、えらい乱暴な子どもが来たなあ。毛を抜かれそうになったわ」などと話していたかもしれません。
私たちは、彼の豊かな経験の場が増えるように学校や家庭とは違う視点で支援したいと考えています。
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