にこにこ通信 142号 ~コロナ禍での一年 この間の活動に想いを馳せる~

 新型コロナウイルスの国内での感染が広がり始めてから、早くも一年以上が経ちました。まだまだ収束の兆しは見えませんが、コロナ禍での新しい生活にもようやく慣れ、慎ましやかながらも平穏な日々を送っています。

 一年が経ったということで、にこにこでは、今年も放課後等デイサービスの一年間の活動の様子をまとめたDⅤDの制作にとりかかっています。昨年中に撮った写真や動画の整理をしていると感じるのは、やはりコロナの影響による数々の制限です。

 大型商業施設へのおでかけはもちろん、近所のコンビニにみんなでおやつを買いに出かけたり、少し遠方の公園などへ遊びに行くことも控えるようになりました。また、地域のイベントも軒並み中止となり、毎年行われているお祭りなどを楽しみにしていた子どもたちは、とても残念そうにしていました。こまめな手洗い、うがいに加え、手指消毒やマスクを付けての会話や活動も日常化し、窮屈さを感じる場面は少なくありません。

 出かける場所を制限されたり、今まで当たり前に出来ていたことが出来なくなってしまったり、いつもとは違う生活を余儀なくされ、相当なストレスを感じているものだと思っていましたが、意外にもにこにこへ来る子どもたちは不満や要望を口にすることは少なく、いつもと変わらない様子で過ごしています。

デイサービスセンターにこにこのある宇陀市周辺はとても自然豊かで、春は山で花見や山菜採り、夏はみんなで川に出かけて思いっきり水遊びを楽しむことができました。子どもたちは、川魚や虫を捕まえて虫かごに入れて観察したり、大自然のアスレチックで思う存分体を動かしたりして、帰りの時間になるまで元気いっぱいに駆けまわっていました。

また、ドラム缶で作ったコンロと窯も大活躍で、みんなでお昼ご飯に焼きそばやピザを作ったり、秋冬の寒い日には焼き芋を焼いて販売したり、おやつに食べたりと、用途は様々でした。その他にも、かき氷、蒸しパン、ドーナツ、パンケーキ、お汁粉など、手作りのおやつを作る機会も多かったです。隣で一緒に当時の写真を見ていた小学生のハル君は、みんながおいしそうに焼きそばを食べている写真を見て、「焼きそばが好きだから今度は僕も作ってみたいな」と言っていました。

昨年に撮った写真は見慣れた景色のものがほとんどですが、そこに写る子どもたちはマスク越しでもわかるぐらい楽しそうな笑顔を浮かべています。コロナ禍以前の生活に戻るのはまだまだ先になりそうですが、長い自粛生活が続く中で、少しでも楽しいと思える時間が作れるような支援を今後も目指したいです。そして、今年も笑顔の溢れる写真をたくさん撮れたらと思います。