にこにこ通信 143号 ~にこにこを利用する子どもたち一人ひとりの確かな成長~

 ハヤちゃんは、小学校5年生です。小学校1年生からデイサービスセンターにこにこの放課後等デイサービスを利用しています。

 低学年のときは、歯磨きの順番でお友達と毎回ケンカをして、お友達を泣かせるなど人と上手く関わることが難しい面もありました。歯磨きの順番は毎回表に書いて、ケンカしないように支援しています。

 ハヤちゃんの将来の夢は、プロ野球の選手になることだと小学校2年生の時に話していました。

夢への実現に向けて、昨年の秋から地域の少年野球チームに入ることになりました。

 毎週土日、朝から夕方まで近くの小学校で野球の練習をすることになりました。

 練習に参加するにはいくつかのハードルがあり、土曜日の朝早く、主介護者のおばあちゃんが朝早く起きてお弁当を作るのが困難ということでした。

 にこにこでは、ハヤちゃんの応援態勢をつくりました。金曜日の夕方はにこにこのショートステイを利用し、夕方には宿題を教えてくれる指導員がつきっきりで勉強を見ました。ただ教えてもらうだけでなく、自分で考えて答えを導き出すということが出来るように支援をしました。

いつも将棋を教えてくれるボランティアのおじさんも応援に来てくれ、寝る前に布団に入ってから本を読んでもらったりしました。それでもハヤちゃんは、「寂しい、家に帰りたい」と泣いてしまうこともありました。

 何とか眠りにつき翌朝は、朝早くスタッフが朝食とお弁当づくりをしました。にこにこスタッフが送り出し、野球の練習に行くことが出来ました。

 野球の練習では、最初、ルールがよく理解できていないこともあったり、監督に対して「敬語を使いなさい」と言われたときは、「敬語って何?」というありさまでしたが、今は練習にも身が入り、ルールも理解でき、監督にも敬語で会話をすることが出来るようになりました。年下の子どもたちに対しても、同等ではなく、年上としての思いやりを持った態度で接することが出来るようになったということです。

 試合を見に来てくれたおじいちゃんとおばあちゃんも、ハヤちゃんの成長をとても喜んでくれているようです。

 同じ学年で同じく1年生からにこにこを利用しているこうちゃんのエピソードです。

 3月19日は、にこにこ指導員のお兄ちゃんの誕生日でした。こうちゃんは一度聞いたことをよく記憶しているという特性があります。こうちゃんは指導員のお兄ちゃんのお誕生日カードを手作りでつくって、そっと渡していました。お兄ちゃんをはじめほかのスタッフも感動したそうです。

 こうちゃんも人と上手く関わることが難しく学校やにこにこでもいろいろなトラブルがあったりしますが、きらりと光る行動をしてくれることもあるようです。