にこにこ通信 145号 ~みんな一人ひとりが良いところを持っている~

 毎年にこにこで見事な花を咲かせていた八重桜もすっかり花を散らし、新緑の季節が近づいて来ました。過ごしやすい気候ということもあり、子どもたちがにこにこを利用している日は、公園に出かけて遊ぶことも多くなりました。

 土曜日にみんなで大きなアスレチックのある公園に出かけた時には、ロープで組まれたネット状の足場や丸太の吊り橋を、端から端まで渡る挑戦をしました。今年度から小学6年生になったコウくんは、数年前に来た時には少し揺れるだけでも怖がっていた吊り橋を一人で悠々と渡り、スタッフに「揺らしてもいいよ」と言えるぐらい高い所が平気になっていました。体の大きなヒロさんも、スタッフ二人の手を借りてアスレチックに挑戦していました。以前に来た時は、アスレチックの外側から吊り橋のロープを揺らしているだけでしたが、スタッフに支えられ、自分でも上手くバランスを取って、アスレチックの最後の方まで行くことが出来ました。

また、小学生のイオくんは草むらでカナヘビを二匹捕まえていました。動物が好きなハルくんは、イオくんにお願いして一匹持たせてもらい、自分の手の中のカナヘビをじっくりと観察していました。一通り観察が終わると、イオくんは「子どもやから逃がしたらなあかん」と言ってカナヘビを再び草むらの中へ逃がしてあげていました。

公園で目一杯遊んだ後は、児童館に移動しておやつを食べ、帰りの時間になるまで館内で思い思いに遊びました。その時に気付いたのが、いつの間にか完成していた500ピースのパズルです。子どもたち用にと人気キャラクターの描かれたパズルを購入したのは昨年の11月頃でしたが、思いのほか絵柄が難しく、最初はやる気のあった子どもたちもなかなか組み立てられないパズルに飽きてしまい、未完成のまま長らく放置されていました。その難しいパズルをコウくんは頑張ってコツコツと組み立ててくれていたようで、時にはスタッフと一緒に頭を悩ませながら、最後まで諦めずに完成させてくれました。

こうした何気ない日常の中でも、子どもたちの成長を感じる瞬間はたくさんあります。勉強が苦手でもお友だちに優しかったり、人から聞いたことや日付を覚えるのが得意だったり、みんながみんなそれぞれに良い所を持っています。

自分の苦手なことや我慢の出来ないことで周囲と上手く馴染めずにトラブルを起こしてしまう子どもも少なくありませんが、子どもたちの強みを見つけ、それを伸ばし、これから先の生きていく力に繋げていけるよう支援を続けていきたいです。