にこにこ通信 146号 ~利用者さん同士の穏やかな交流~

 宇陀市のあちこちでホタルが飛び交う季節となりました。

 今年は梅雨入りが早く、雨の日は一日中雨という日もあり、そんな日はにこにこを利用している子どもたちは室内での遊びを自分たちで考えて楽しみます。

 スタッフが提案して、塗り絵や貼り絵をしたり、それぞれの得意な課題に取り組んだりします。

 小学校3年生のしーくんは、ひらがなは何とか読めますが、書くのが難しいということもあって、にこにこから学校に課題を作って下さいとお願いしたら、すぐにひらがなの練習プリントを作って下さり、しーくんも嫌がらずに黙々と取り組んでいました。

 しーくんは、お母さんと買い物に行ったときに何度かひとりでどこかにいってしまい、警察に届けて探してもらうということがあり、片時も目が離せないので、にこにこを利用する時も配慮が必要です。

 学校での給食は、好き嫌いが多いので食べられない献立の時は、お母さんがおかずを作って持たせないと機嫌が悪くなるとのことで、白ご飯と揚げ物が大好きなしーくんは、9歳児の平均体重をかなり上回っています。

 しーくんは、一つ年上のイオくんと仲が良く二人で追いかけっこをしたりして遊んでいますが、ある日は面倒見のいいイオくんがしーくんに「走りや~、走らなダイエットにならへんで~」と声掛けをしながら一緒に走ってあげていたとのことで、イオくんのやさしさが育っていることを実感できた出来事でした。

 昨年7月から生活介護の利用をしているケイさんは、24歳になり、大人の話し方になっています。

 かつて小学校から高校卒業まで利用していた時は、大きな音に敏感に反応したり、感情が不安定でよく泣いたりしていて、泣き虫ケイちゃんと呼ばれていたこともありましたが、今は大人の感性を持つように成長し、「○○さん、若いわ~、きれいやわ~」などとお世辞を言えるようになり、会話の中でも冗談を交えて「愛してるよ~」などの言葉がとびだすこともあります。

 新型コロナについてはワクチン接種が少しずつ始まっていますが、感染対策のためにカラオケの際には、換気とマイクの消毒が欠かせません。一人歌われるごとにマイクを消毒し交替してもらっています。

 感染対策をしっかりしながらカラオケの時間を楽しんでもらっていますが、ケイさんのカラオケのレパートリーも増え、古い歌もどこで覚えてくるのかうまく歌いこなしています。記憶力もよく、歌詞を覚えていて歌っているので、他の利用者さんたちも「ケイちゃん、次何歌うねん?」などと親しげに声をかけてくれ、楽しく交流できています。

 デイサービスセンターにこにこでは、これからも利用者の方お一人お一人の強みをさらに引き延ばすことと利用者さん同士の楽しい交流が日常的に行われることにより、穏やかで充実した時間を共有していただくことを目標にしながら支援を行っていきます。