にこにこ通信 154号 ~わたしたちらしく それぞれのペースで~

 2月の宇陀は、いつものように寒い日が続いています。3年前までは、インフルエンザで学校が学級・学年閉鎖になっていましたが、今年はインフルエンザに代わって新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威をふるっています。

 1月中旬頃から複数の事業所で、職員や利用者が陽性になったり濃厚接触者になったり、学校も学年・学級閉鎖になったりしています。そうなると、利用している該当の子と家族の方に抗原検査を受けてもらい、陰性を確認してからにこにこの利用をお願いし、その子の送迎を担当した職員も抗原検査により、陰性を確認するという対応をしています。

 他の事業所のショートステイを利用し、にこにこのデイサービスを利用されている方や複数の事業所でサービスを利用している方もいます。陽性者が出た他の事業所を利用されている方や、利用者の家族が濃厚接触者になられたら、ご利用を中止してもらっています。 そのため、毎日の利用者や職員の人数が変わって、昼食の準備にも大わらわです。

 にこにこでは、今まで通りの室内消毒・換気、マスクの着用、せっけんによる手指洗い、うがいに加えて、そのような新たな対応に追われる毎日です。

 そんな中でも、にこにこでは一人の感染者もなく、子どもたちは児童館で窓を開けてゲームをしたり鬼ごっこをしたり、焼き芋を使ったおやつ作りをしています。

 デイサービスの部屋では、高齢者の方が手足の体操や、歌に合わせてゲームをして、穏やかに過ごされています。

 土曜日だけ利用されているショウさんは、お母さんから「体を動かすのが苦手なので、できるだけ散歩させてください」と言われている20代の男性です。よく晴れた寒い午前中、職員と一緒ににこにこの周辺を散歩します。にこにこのすぐ上にある公園やちょっと遠くの公園は、ショウさんのお気に入りのコースです。少し高い場所にあるこれらの公園からは、東吉野の山がよく見えます。三角形の山頂が雪で白くなっていて青い空によく映えています。こんなにきれいな景色のどこに怖いウイルスがいるのだろうと思ってしまいます。きりっとした冷たい空気と美しい景色の中を、ゆっくり歩くショウさんに合わせてのんびり歩いていると、世間のコロナ騒動とは無縁な気がします。 

 わたしたちを取り巻く状況は日々変わってきますが、自分たちのできる対処はできる限り行い、その中でもわたしたちらしくそれぞれのペースで過ごしていきたいものです。