にこにこ通信 158号 ~利用者さん同士のつながりの大切さ~
にこにこで生活介護をご利用されているタカさんは、足を手術され車椅子を使用されています。天気の良い日はスタッフと一緒に散歩に出かけられたりしますが、室内ではあまり激しい運動ができず、つい運動不足になってしまいがちです。また、タカさん自身も毎日の体操やカラオケなどには参加されず、持参されたCDプレーヤーで音楽を聴いたり、ゲームをしたりして過ごされることがほとんどです。
最近はそんなタカさんの息抜きも兼ねて、4月から毎日児童館へ通い作業に取り組むことになった、アユくんの作業の見守りをお願いしています。主には判子押しの作業で、几帳面な性格のタカさんは、アユくんの押した判子を見て、「アカンなぁ」「押すのもっと下やで」と厳しくチェックされています。それを聞いたアユくんは、難しい顔をしたり、「んん?」と言って、少しおどけた反応を返すことがあります。
また、児童館には午後になると放課後等デイサービスを利用している子どもたちが帰ってきます。6月から新たににこにこを利用することになったケンくんは、現在小学校3年生で、好奇心旺盛な元気いっぱいの男の子です。ケンくんは一人での歩行が困難なため、スタッフと手を繋いだり壁や机などに手をついて、体を支えながら歩きます。児童館では三輪車に乗って遊ぶのがお気に入りのようで、時々バランスを崩して転びそうになりながらも、ペダルを漕いでホール内を自由に行き来しています。
子どもが好きなタカさんは、ケンくんに対しても、とても優しく接してくださっています。ケンくんがタカさんに「おにごっこがしたい」とお願いすると、タカさんはゆっくりと車椅子でホール内を逃げまわり、ケンくんがそれを追いかけて行きます。時々、ケンくんがタカさんをタッチしておにを交代したり、それを見ていた別の子どもがおにごっこに参加するということもあります。
そうしてしばらくおにごっこを続けたあと、タカさんは汗をかいて疲れた様子でホールの端へ移動し、休憩されます。すると、そこへケンくんが近づいてきて、タカさんに「おにごっこしよう」と言います。タカさんは疲れた顔をしながらも、「おにごっこするんか?」と言って、再びケンくんとおにごっこをしてくださいます。
こうした何気ない日常の様子を目にするたびに、利用者さん同士のつながりの大切さを感じることができます。スタッフと利用者さんとの間に良好な関係を築くことはもちろんですが、今後も利用者さん同士が気軽に会話できて、助け合えるデイサービスでありたいと思っています。
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