にこにこ通信 159号 ~ひーくん「にこにこ」で実習~


 今年は梅雨明け宣言が早かったので、水不足が心配されましたが、7月に入ってからは雨の日が多く、戻り梅雨という言葉が報道されています。

 にこにこでは、恒例の七夕飾りをレクリエーションとして取り組みました。折り紙で、網飾りや星飾りなどで飾り付けをし、短冊には、各自自分の願いごとを書きました。

 「おいしいものがいっぱい食べられますように」

 「大学芋がおいしく食べられますように」

 「○○さんとドライブに行けますように」

 「電車に乗りたい」

 「元気で過ごせますように」

 「あきらめていたことがまた出来ますように」

 「いつも元気でいられますように」

 「子供の成績が上がりますように」

 「家族がみんな元気で幸せでいられますように」などなど利用者の皆さんやスタッフの願いごとが付けられたささ飾りはとても華やかにでき上りました。

 7月7日は晴れたので、みんなの願いごとがなんとかかないますようにと願っています。

 同時期に実習の受け入れをしました。

 特別支援学校高等部3年生のひーくんは、小学部1年からにこにこを利用していますが、発語が少なく、気持ちが不安定になることも多く、イライラしたときには支援者に手が出たりすることもあり、信頼関係を築くのに長い時間がかかるタイプの生徒です。

 高等部卒業後の進路を考える時期になってきたので、学校の進路の先生と相談しながらすすめていますが、保護者の方は、通いなれたにこにこの利用を希望されているので、ひーくんにできる作業のメニューをいろいろと考えて6月末から1週間実習の受け入れをしました。

 ペーパー折り、伝票のハンコ押し、伝票の剥がし作業、新聞のリサイクル作業、洗車作業、館内消毒作業など他の利用者さんと一緒の空間でも作業が落ち着いてできるようにと工夫して取り組みました。

 ひーくんは、気持ちが落ち着かなくなったときに上手にクールダウンができるようになることも目標の一つですが、児童館の部屋の一角に設けられた段ボールの仕切りの中に行き、自分の気持ちと上手に折り合いをつけながら、作業に取り組んでいました。

 今回の実習では、他の利用者さんと同じ空間で作業に取り組めたこと、今まで家で作っていただいたお弁当やコンビニのお弁当しか食べることができなかったひーくんが、にこにこの昼食を食べることができたことと、笑顔で挨拶ができたこと、最後にピースサインをしながら記念撮影ができたことが大きな成果だったということです。

 小学校1年生から数えると12年の長い付き合いになりますが、その間に積み上げてきたスタッフとの信頼関係はとても貴重なものとなっているようです。