にこにこ通信 169号 ~新年度 それぞれの過ごし方~

 宇陀の里山では、あちこちで田植えが行われ、水を張った田んぼが鏡のように光りをあびてきらきらとしています。

 新年度になってデイサービスセンターにこにこに通ってくる子どもたちは、また少し成長しています。

 ハルちゃんは宿題にも意欲的に取り組むようになり、家での様子をよく話してくれるようになり、家族でバーベキューをした話やお母さんと遠足のおやつを買いに行ったりしたことなどを楽しそうに話してくれています。

 シーくんは、下に妹が生まれてから落ち着かない様子が出てきてにこにこのバランスボールに穴をあけたりして、スタッフの気を引こうとしている様子です。またスタッフのせなかに手を入れてちょこちょこして自分にもしてほしそうにして、甘えん坊になっているようです。

 あっくんは、担任の先生が変わったので少し気持ちが落ち着かない様子です。サナさんはマイペースで、楽しそうに過ごしています。

 コウさんは、中学2年生になり、勉強に熱心に取り組むようになって、おやつもいらないと言って勉強に真剣に取り組んでいます。

 ソウちゃんとショウちゃんは、いま大の仲良しで、戦いごっこに夢中です。

 イオくんは、自我が出てきて自己主張をするようになり、今まで楽しくやっていたドッチボウルが嫌になったり、にこにこの利用もやめとくわと言ったりしているようです。

 タカさんは、この春から作業として内職の仕事を始めました。今やっているのは手首にシップなどを貼ったりしたときにはめるネットを検品して、裏返し2枚ずつ袋に入れて、テープを貼り、12袋ずつ箱に入れてテープでとめるという作業をしていますが、2日で1000枚をこなさないといけないので、結構ハードな毎日を過ごしておられます。

 ただ、人の声が気になったり、イライラしたりするのがしんどいので、一人で個室でのんびりと好きな音楽を聴きながら、黙々と作業をするというのが性に合っているようです。

 「あー、落ち着くワ~、仕事してなんぼかでもお金になるんやったらやりがいがあるわ~」

と、充実した様子で語っています。仕事ばかりでは疲れるので、週に2回は散歩もしたりして気分転換を図りながら過ごしておられます。

 新しいにこにこの取り組みとしては、プロの陶芸家の先生に来ていただいて陶芸教室を月に2回ぐらいのペースで行っています。その陶芸家の方は釉薬を使わないで焼き物を作るというのが特徴で、御杖村に窯場を持っている縁で利用者さんに紹介していただきました。

 今はまだ土をこねたり、先生がお湯のみやお皿の形に作ってくれた土に、デザインを入れていくという作業をしています。

 アユくんはいろんな道具を使って、模様を入れたりして意欲的に取り組んでいるようです。

 ある程度量がたまったら、焼成作業に入るようです。

 どんな作品が出来るか、これから子供たちがどんな風に成長するかとても楽しみです。