にこにこ通信 171号 ~ヒーくんのミニトマト アユくんの誕生日~
「熱中症に注意してください」と連日ニュースで報じられているとおり、宇陀市でも毎日うだるような猛暑日が続いています。
少し外へ出るのも厳しいような暑さですが、児童館のプランターには、五月の下旬頃に植えたミニトマトがたくさん実り、食べごろを迎えました。
苗を植えたのは、養護学校を卒業後、週に数回にこにこへ来てお仕事をしているヒーくんです。ミニトマトを植えるのは、にこにこでは初めての作業でしたが、スタッフから事前に写真などで手順を教えてもらい、軍手をはめて、スコップを使ってプランターに土を入れ、苗の植え付けを行いました。
植え付け後も、児童館に来る日はプランターの水やりがヒーくんの仕事となりましたが、ヒーくんは暑いのが苦手なため、最近は水やりの仕事をお願いしても嫌がることがあります。そんな時は、同じ学校へ通っていた先輩のアユくんが、代わりに水やりをしてくれています。
にこにこで日々色んなお仕事やお手伝いを頑張っているアユくんですが、先日誕生日を迎え、ようやく二十歳になりました。小学生の頃からにこにこを利用し、高等部を卒業後、グループホームに入所しているアユくんは、年々できることが増え、顔つきもすっかり大人びました。私がにこにこでアユくんに出会った頃は、人の手をつねったり、自分のお弁当をひっくり返したりするやんちゃな少年でしたが、今では身長も追い越され、食事の準備や買い物などのお手伝いを意欲的にしてくれる、とても頼りになる青年に成長しました。
アユくんの誕生日の少し前には、市内のレストランでささやかなお祝いをしました。アユくんはタッチパネルでメニューを見ながら、大好きなハンバーグと大きなエビフライのセットを選びました。また別のメニューには、これまたアユくんの大好きなナポリタンがあり、スタッフが注文してアユくんにお裾分けしました。テーブルの上には食べきれるのか心配になるほどの料理が並んでいましたが、アユくんは残さずキレイに平らげていました。
同年代の人たちに比べると、彼らにはできないことがたくさんありますが、少しでも多くのことを経験して、これからの長い人生をより楽しく過ごせるよう、今後も支援を続けて行きたいです。
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