にこにこ通信 185号 ~子どもたちの夏休みを振り返って…~
今年の残暑は厳しく、クーラーのリモコンが手放せません。児童館で走り回っていた、放課後等デイサービス利用の子どもたちは、二学期が始まり、制服姿で児童館へ帰って来ると、夏休み中に見ていた子どもらしい笑顔とはまた違う、キリっとした表情になっていて、成長を感じます。
さて、今年の夏休みですが、水着に着替えることが多かったように思います。というのも、夏休みが始まるとすぐに休み癖がついてしまったシーさんのため…。何と朝のお迎えで車に乗ってくれないので、あの手この手を尽くしますが、「僕いらなーい」と泣いてしまう毎日でした。何とか車に乗ってもらい、シーさんの大好きな電車に乗ったり、プールへ行ったりするうちに、スムーズに児童館へ来てくれるようになりました。それなら、と運動も兼ねて、プールと川のブームが到来したわけです。
生活介護利用のヒロさんもアユさんも、他の子どもたちも、シーさんと一緒に川へ行きました。ここで印象に残っているのは、いつも先頭に立って行動するイッ君です。いつもの強気なイッ君ですが、何と水は苦手な様子。大きい浮き輪を2個とも体に通して譲ってくれません。「この浮き輪は誰にも渡さない。」といいながら、用心深く水に近寄っていました。慣れてくると、スタッフや友達に水をかけて楽しませてくれましたが、もちろん片手はグッと浮き輪をつかんだままでした。
恒例のカレー作りにもチャレンジしました。最近学校に足が向かないノンさんですが、好きなことの一つに料理があります。切ったり焼いたりはお手の物です。夏休み最後の週には、スタッフや子ども10人分の煮込みハンバーグを作ってくれて、素晴らしい頑張りと、優しい味でみんなを笑顔にしてくれました。
宿題を真剣に取り組んでいたのは、ソウさんとコウさん、ハルさんです。ハルさんは夏休み最後の週、皆の声が耳に入らないほどの集中力を発揮していました。ケンさんは毎日野球の練習をしていました。練習の成果は出ており、大谷選手顔負けのバッティングです。
大きなけがもなく夏休みが終わりました。にこにこで経験した色々なことは、子どもたちの中でどんな思い出になっていくのだろう、と考えます。障害や生きづらさを抱えた友達と、切磋琢磨しながらここで過ごした日々が、人生でつまずいた時に何となく思い出して、くすりと笑えたり、言葉には出せなくても仲間の顔を見て笑ったりできるといいなと思います。
自立への努力も大切ですが、しんどい時に助けてほしいと訴える力も大切ではないでしょうか。この空間が自分を守ってくれる、と安心の出来る場所になれたら、と思います。
夏の疲れが出やすい時期です。利用者様の体調管理に気を付けながら、安全に過ごしていただけるようサポートしていきたいと思います。
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