にこにこ通信 187号 ~秋空のもとにとどろく、太鼓台にワクワク~

 秋はイベントが盛りだくさんです。10月20日には、菟田野地区の太鼓台が一斉に練り歩き、宇太水分神社に集う「うたの秋祭り」が開催され、地域一帯がにぎやかな一日となりました。生活介護をご利用されているダイさんは、にこにこへ来所される度にお祭りの映像を見て楽しまれるほどのお祭り好きで、祭りの日が近づいてくると、「来週祭りや」「祭りの日、晴れる?」と、ソワソワした様子でいろんなスタッフに話しかけられていました。

 天候が心配されていた当日は、過ごしやすい秋晴れの天気となりました。日曜日ということで、グループホームから自宅へと一時帰宅されていたヒロさんをお誘いし、太鼓台が停止している公園へと向かいました。今年は例年よりも担ぎ手の人数が多く、公園にはすでにたくさんの人が集まっていました。その中で知り合いの姿を見つけたヒロさんは、ニコニコと嬉しそうに挨拶をされ、みんなで記念撮影をしました。

 しばらくすると、乗り子さんがリズムよく太鼓を叩きはじめ、いよいよ太鼓台が動き出します。大きな掛け声と共に持ち上がった太鼓台はゆっくりと町中を進み、ヒロさんはその後ろを一緒に歩きます。「ドン、ドドン!ドン、ドドン!」と力強く打ち鳴らされる太鼓の音を聞きながら、ヒロさんは終始笑顔でお祭りに参加されていました。

 また、10月27日の「うだ産フェスタ」、11月9日の「菟田野人権フェスティバル」のイベントでは、にこにこの畑で育てたサツマイモを使った焼いも・大学いも・たい焼きのほか、利用者さんが作った陶芸作品を販売しました。

 「菟田野人権フェスティバル」には、生活介護の利用者さんや、放課後等デイサービスを利用されている子どもたちが参加しました。参加者は、朝からスタッフと一緒にたい焼き作りのお手伝いをしてくれたノンさん、テント内の椅子に座りステージの出し物を楽しまれたコウさんとケンくん。シーくんは、朝からご機嫌ナナメな様子で、落ち着いた頃を見計らってイベントへの参加を促してみましたが、泣いてしまわれ、スタッフと児童館で過ごしました。

 陶芸作品が並べられたスペースの前には、作者であるヒロさんとアユさんが座り、スタッフと一緒に接客を担当されました。作品には値段が付けられておらず、お客さんと作者であるヒロさん、アユさんとの交渉で金額を付けていただきました。スタッフがヒロさんに、「100円ですか?」「200円ですか?」と順番に尋ね、ヒロさんが手を叩いた金額で購入していただきました。また、アユさんも、「500円でいいですか?」と尋ねられて「うん」と返事をされていました。

 会場には、普段にこにこを利用されている他の利用者さんの姿も多々あり、ご家族の方と一緒にイベントを楽しまれていました。もちろん、お祭りが大好きなダイさんも、お母様と一緒に参加されていました。

 イベント中は、多くの方々が利用者さんに声をかけられていました。ご家族の方や学校の先生やお友だち、近所に住む方や初めてお会いする方など、関係は様々ですが、地域の人たちとのつながりの多さを改めて実感しました。障がいのある人たちが、住み慣れた場所で周りの人たちと助け合いながら安心して生活できるよう、これからも地域とのつながりを大切にした支援を続けて行きたいです。