にこにこ通信 192号 ~春の遠足、大パノラマと大仮想地震を体験し…~
春休みもあと少しで終わりを迎える頃、デイサービスセンターにこにこでは、放課後等デイサービスをご利用されている子どもたち8名と、生活介護をご利用されている利用者様2名、にこにこのスタッフ8名で、春の遠足にでかけました。
毎年恒例となりつつある遠足ですが、今年の目的地は「あべのハルカス」と、阿倍野防災センター「あべのタスカル」です。今年も観光バスを一台借り切り、児童館から乗って、みんなで大阪へと向かいました。
途中のサービスエリアで休憩を挟みつつ、宇陀市から約2時間でバス駐車場のある「てんしば」に到着しました。そこからすぐ目の前に見える高層ビル「あべのハルカス」へと徒歩で移動し、16階のカウンターで展望台へ昇るための受付をしました。スタッフからそれぞれ一枚ずつチケットを受け取ると、入場ゲートを通ってエレベーターに乗り込み、展望台へと向かいます。エレベーターは約45秒という速さであっという間に60階まで上昇し、大阪の街並みが一望できる広々としたフロアに到着しました。
当日は天候に恵まれたため、見晴らしの良い大パノラマを存分に楽しむことができました。大きなガラス窓の向こうに見える景色を眺めながら、「あの工事してるところが天王寺動物園」「あの辺が大阪万博やわ」「あの山の上に見えるのは、去年行った生駒山上遊園地やなぁ」と指さしをして教え合ったり、おもちゃのように小さく見える電車が走って行くのをジッと眺めていたり、それぞれが思い思いの時間を過ごしました。また、フロアの一部はガラス床になっており、足を乗せるのを怖がる子もいれば、ガラスの上に立っても平気な顔で足踏みをする人もいました。
展望台での見学が終わると、再び歩いて「てんしば」へと戻り、広い公園内でお弁当をいただきました。過ごしやすい天気ということもあり、園内ではたくさんの人たちがピクニックを楽しんでいました。
昼食を終えると、次の目的地は「あべのタスカル」です。近年は地震の多発により防災について考える機会が増え、いずれ起きるであろう大地震への備えとして、スタッフも利用者さんも全員で防災について学びました。
まず初めに、大きなスクリーンで災害の再現映像を鑑賞し、地震が起きた後に取るべき行動や、津波避難と瓦礫の街中に潜む危険について学びました。そして、初期消火と煙の充満する部屋での避難を体験したあと、最後に阪神淡路大震災と南海トラフ巨大地震を想定した震度7の揺れを体験しました。
地震の体験は、身長制限により利用ができない子どもたち以外は全員が参加し、肢体不自由の子も車いすに乗ったまま、車体をしっかりと手すりに固定し、スタッフ2名が車いすを押さえる形で体験しました。装置が作動すると、徐々に揺れは大きくなり、手すりを力いっぱい握って身構えていても、身体が大きく揺れるほどの激しい振動が続きました。みんなが必死に手すりをつかんで揺れに耐える中、ヒロさんだけは終始楽しそうな顔で揺られていました。
帰りのバスの車内では、慣れない環境に疲れたのか、子どもたちの何名かはぐっすりと眠っていました。普段とは少し違う慌ただしいスケジュールでしたが、事故もなく無事に一日を終えることができてよかったです。来年もまた新しい場所へ出かけ、利用者さんたちの新たな一面を見つけたり、一緒に新しい体験ができればと思います。
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