にこにこ通信 191号 ~駄菓子屋さんが新たな交流の場に~

 デイサービスセンターにこにこでは、3月から新しい取り組みを始めました。

 児童館で、毎週水曜日に活動していた焼きいもとたい焼きの販売に加えて、月・水・金曜日に駄菓子と野菜を売ることになりました。

 子どもたちがよくおやつを買いに行っていた、菟田野に一つだけあったスーパーが閉店してしまい、放課後等デイサービスを利用している子どもたちとスタッフが困ったなあと話し合って、自分たちで駄菓子屋さんをはじめることにしました。

 お菓子の問屋さんやネットで駄菓子を仕入れ、子どもたちのそれぞれの役割を決めてオープンしました。

 野菜は、地域の農家さんから規格外のものを売っていただき販売することにしました。規格外といっても、ちょっと大きく育ってしまったり、ふぞろいだったりするだけで十分おいしく食べられるものです。

 児童館の前には、焼き芋ののぼりに加えて駄菓子ののぼりも立てて、近くの公園にもお知らせのポスターをはり準備をしました。

 陳列台に、カラフルなお菓子をきれいに並べてレジ係のハル君がスタンバイしていると、自転車で小学生がやって来てくれました。それぞれいろいろ話をしながら、品定めをしている横で、店番係のヒロさんはにこにこして座っています。

 焼き芋を買いに来た大人のお客さんも、なつかしいなあと言いながら陳列台の駄菓子を見てハル君と「おすすめはありますか」「全部おすすめですけど、このロングチューは良く売れてますよ」との会話をされていました。 

 「このお菓子、昔からあるなあ。袋がちょっとおしゃれになってるなあ」と、スタッフと話をされている方もいらっしゃいます。

 野菜も、「スーパーがなくなったから助かるわ」とおっしゃって買いに来てくださる方もいらっしゃいます。

 子どもたちは、お菓子を見やすいように、買いやすいように自分たちなりに工夫したり、準備や後片付けにも積極的にかかわっています。

 レジ係のハル君は、会計をしてお客さんにおつりを渡し売上表の記入もしっかりとこなしていました。

 人口が減ってきてなじみのお店が閉店したり、バスの運行回数が減ったりとますます住みにくい町になってしまいました。ですが、自分たちでできることは何とかしていきたいと始めた駄菓子と野菜のお店ですが、違う学校に通っている子と一緒にお菓子を選んだり、焼き芋を買ってくださった高齢者のお宅へ配達に行っておしゃべりしたり、散歩の途中に声を掛け合ったりと、ここが地域の人たちとにこにこを利用している子どもたちとの交流の場になればうれしいなと思っています。