にこにこ通信 31号
にこにこ通信31
たっちゃん
夏祭りで、大好きな消防車の前で記念写真
キラキラアートコンクールに絵画を出展し入選する
「デイサービスセンターにこにこ」に来られるしょうがいのある人には、芸術的な面で目を見張るような作品を作られる人が多数おられます。
切り絵や折り紙が上手な子や鉛筆で繊細な絵を描く人、細かい色ぬりを集中して何時間でもする子、ラキューというブロック玩具でいろんな作品をつくってくれる子。そして、そんななかで、重いしょうがいのあるたっちゃんが先日、キラキラっとアートコンクール(しょうがいのある子どもたちの絵画コンクール)で「のびやか賞」を受賞しました。
キラキラっとアートコンクールは、しょうがいのある子どもたちの可能性を応援したいという想いで、三菱地所株式会社の主催で始められたもので、全国の特別支援学校に呼びかけて作品を出展してもらい、今年で9回目を迎えます。受賞作品を紹介した三菱地所株式会社のパンフレットには「気がつけば、作品をご覧になるたくさんの人たちやコンクールに携わる私たちも元気や幸せをもらっていると、回を重ねるごとに実感している」と書かれています。
今回のたっちゃんの受賞作は応募総数1175点から選ばれた50点の優秀作品の一つで、題して「大好きなウーカンカン(消防車)!!」、大好きな消防車を実に率直に描いています。
たっちゃんが消防車が好きなことは、岩崎地区の夏祭りで消防団の皆さんが準備してくださった消防車に乗せてもらって、「ウーカンカン」と声をあげて大喜びだったこと、その喜びようを見た消防団の皆さんから去年のクリスマスに消防車のレプリカをプレゼントしてもらったことをにこにこ通信29号で紹介しましたが、大好きな消防車を絵の具で描いての受賞でした。早速、このことを消防団の団長さんにお伝えしたところ、「ぼくたちもうれしいです」とたいへん喜んでいただきました。
私たちは、ともすれば世間体や常識にとらわれ、他の人が出来ることが出来なかったら落ち込んでしまい、自分らしさを表現するということを押さえてしまいます。しかし、キラキラっとアートコンクールに応募されている特別支援学校の生徒たちの作品には、上手とか下手とかという価値観では評価できない、見たものを率直に表現する迫力があります。
有名な山下清さんは、自閉症のある芸術家ですが、彼のシンプルで細かいちぎり絵の貼り絵は多くの見る人に感動を与えます。それは、既成概念に縛られず、見た物、感じたことを率直に表現しているからでしょう。
たっちゃんは、言葉で他人に自分の気持ちを伝えることは出来ませんが、うれしいことや嫌なことは体全体を使って気持ちを表し、そんなたっちゃんの気持ちが作品には表現されています。私たちは、たっちゃんだけでなく、しょうがいや認知症、難病のある人たちがその日一日を楽しく過ごしてもらえるよう、地域の人たちとの豊かな関係づくりをすすめ、今後も支援をし続けていきたい、と思っています。
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