にこにこ通信 38号

 10月1日、デイサービスセンターにこにこをオープンして、4年が経ちました。
 この間、さまざまな方々との出会いと別れがありました。
開設当初から利用してくださっているアサさんは、今もお元気で週3回休むことなく利用されています。4年前78歳だったアサさんは、今お年を伺っても「私は、昭和3年生まれの78歳ですねん」とこたえられます。認知症を発症された時から、アサさんのなかでは年齢は増えていかないようです。そして、もう一人、4年前から今も利用されているカズさんにお年を伺うと、ある時は「24歳や」またある時は「4歳や」「38や」と同じ日でもちがう年齢をこたえられます。
また、ご夫婦で来られているヨシさんと久さんは、85歳と91歳ですがとても仲良しです。久さんがトイレに行っただけでも、ヨシさんは「おじいさんは、どこへ行ったんや」と心配されますし、お食事の時も「おじいさん、おいしいなあ。これ、おくれやあ」と言って久さんのお皿にはしを伸ばされることもあります。そんな時、久さんは「よっしゃ、よっしゃ」と言ってお皿をヨシさんの方へずらしてあげたりされています。
にこにこは、高齢者だけでなく、しょうがいのある方や養護学校へ通学している子どもたちも利用されています。気候のよい季節には、よくドライブや散歩に出かけますが、お元気な方が、車いすが必要な方の手助けをしてくださったり、子どもたちが学校から帰ってくると、「おかえり」と声をかけて一緒に歌やゲームを楽しんだりされています。
そして、毎月お誕生会をしています。お誕生日を迎えられた方の写真を撮ってバースデーカードを作り、スタッフからのメッセージを添えて渡します。お誕生会の日のおやつは、バースデーケーキを用意します。「もう、おめでたいっていう年とちがうけど」とおっしゃりながらも、うれしそうにされている高齢者の方を見ていると、ほのぼのとした気持ちになってきます。
でも、体調を崩されて入院してそのまま亡くなられた方や、リハビリや医療的ケアが必要になって入所施設へ移られた方もいらっしゃいます。そういう連絡を受けたときは、仕方がないと思いながらも、さびしくなります。先日,老健施設へ入所されている方が、一時帰宅されるとき、ご家族と一緒ににこにこへ立ち寄ってくださり、「また、ここへ来たいわ。せやからリハビリがんばってるねん」と言ってくださり、「ぜひ、また来てくださいね。待ってますから」と声をかけました。
5年目にはいったデイサービスにこにこですが、これからも利用者さんお一人おひとりに寄り添った、きめこまやかなサービスを家庭的な雰囲気の中で提供していきたいと思っています。