にこにこ通信 47号
今年の夏休みも恒例の「にこにこの部屋」を運営しました。特別支援学校の高等部3年生から小学部1年生までの子どもたちが、毎日元気に菟田野人権交流センターで過ごしました。
午前中は、センター内を歩いて探検する子、走り回って職員をヒヤッとさせる子、音楽を聴いている子、学校の宿題をする子、職員を質問ぜめにする子など、それぞれの時間を楽しみました。職員は、できるだけ一人ひとりの子どもに寄り添うように心がけて、いっしょに歩いたり、走ったり、歌ったりしています。
午後は、みんなで出かけます。暑い時期なので、滝を見に行ったり、川やプールで泳いだりしています。
また、地元のチャングのサークル(チャング・ハジャ)の人たちとの交流会も、恒例になっています。チャングの演奏やゲームを教えてもらい、お昼ごはんのホットドッグをいっしょに作って楽しく話をしながら食べます。ふだん、接することがない人たちと交流することによりお互いを知る良い機会になればと思っています。
大きな音や騒がしい声などが苦手な子もいます。そんな子は、人権交流センターではなくデイサービスセンターにこにこで、高齢者の人たちといっしょに過ごしています。坊主めくりやカルタなど昔からの遊びを教えてもらったり、食事やおやつの準備や後片づけを手伝ったりして、ゆったりと過ごしています。
デイサービスセンターにこにこで過ごしている高等部1年の恵ちゃんは、みんなといっしょに出かけることができないので、車いすごと乗れる車で職員と出かけました。にこにこの部屋のみんなが行ってきた東吉野の滝を見に行き、その後マクドナルドでおやつを食べました。自分で注文するために、行く前に何度も練習をして出かけました。少し恥ずかしそうではありましたが、きちんと自分で注文することができおやつを食べられました。その日は、家へ帰ってからお母さんに何度も話をしていたそうです。
もうひとり、デイサービスセンターにこにこで過ごしているみなちゃんは、高等部3年です。彼女は、話をすることが苦手です。学校の先生やにこにこの職員は、自分の気持ちを伝えることが大切なことだといつも彼女に言っています。そういうことの練習も兼ねてみなちゃんは、春休みに続いて夏休みも職員とお買い物に出かけました。行く前に「自分で電車の切符を買う。店の人にきちんと欲しいものを言う。あいさつをする」ということを確認して出かけました。この日みなちゃんは、切符もきちんと買えたし店ではTシャツを選んでこれが欲しいと伝えることもでき、お昼ごはんも自分でメニューを見て自分で注文することができました。帰ってからは、使ったお金の計算もちゃんとすることができました。
子どもたちは、それぞれの年齢に応じてゆっくり成長しているようです。毎年「にこにこの部屋」を開くことで、少しでも子どもたちの成長の手伝いができたらと日々感じています。
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