にこにこ通信 53号
高齢の方、障がいのある方がデイサービスをご利用になる主な目的は、入浴・食事・排泄等、日中の生活全般における介助を得ること、また家族の介助負担を軽減することですが、それらが全てではありません。
デイサービスの利用には、この目的以外に効用がたくさんあります。デイサービスセンターにこにこでは、一日のご利用の間に各種体操、脳トレ、レクリエーション等のプログラムが様々な形で組み込まれています。
朝のバイタル(血圧・脈拍・体温)測定の後、椅子にかけてできる体操DVDに従い、15分間ほど身体をほぐしていただきます。短い時間の簡単な運動ですが、身体を目覚めさせ、運動不足を補い、身体機能の維持を図っています。そして体操の次は脳トレです。利用者に合わせて構成は変えますが、手指を使った遊びに始まり、歌を歌いながら手や腕に振り付けを加えたり、なぞなぞや言葉遊びをしたりして、身体とともに頭も使っていただきます。こちらも15分間ほどですが、認知症予防を図ると同時に、遊び感覚で楽しんでいただけるメニューに取り組んでいます。
体操と脳トレが終わると朝のレクリエーションに移りますが、こちらも利用者に合わせて、花札、カルタ、トランプ、オセロなどのゲームをしたり、童謡・唱歌・民謡・歌謡等、懐かしの歌を歌ったり、歌番組のビデオを観たりと、日によって趣向を変えています。ゲームや歌は楽しみながら脳トレにもなり、レクリエーションの間中、会話も弾んで楽しい時間になっています。
また、お昼前になると嚥下(えんげ)体操を行います。これは舌や口の周りの筋肉を動かしたり、声を出したりすることで唾液の分泌を促し、食べ物を飲み込みやすくする効果があるほか、誤嚥(ごえん)の予防にもなるため、毎日欠かさず行います。
午後は昼食と休憩の後、まず足の体操を行います。転倒予防のためにも、介護予防のためにも、足の運動機能を維持することはきわめて大切です。膝や脚の上げ下げ、つま先やかかとの上げ下げ運動を中心に、歩行能力の維持、つまずきの予防を図っています。
足の体操の次は、カラオケタイムに移ります。カラオケは利用者によって様々に楽しまれていますが、歌うも良し聴くも良しで、歌えば楽しいことはもちろん、呼吸器系を鍛えるばかりでなく、免疫力も高まると言われます。また音楽療法により、聴くだけでも脳を活性化させると同時に、精神を安定させる効果があると言われています。この時間には音楽関係のボランティアの方にもよく来てもらって好評で、にこにこの看板になっています。
このように、デイサービスの目的は、日常生活の介助だけでなく、利用者のADL(日常生活動作)とQOL(生活の質)の維持、向上を図ることにあります。にこにこは、それも重視しながら、これからも利用者の暮らしを支えたいと思います。
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