にこにこ通信 59号
今年の夏は、厳しい暑さが続きましたが、にこにこにやってくる子どもたちは元気に夏休みを過ごしました。多い時は9人の子どもたちがやってきますので、人権交流センターのデイルームも借りて、障がいがある子どもたちのデイサービスを行いました。
午前中、運動不足で肥満になりやすい子どもたちは、人権交流センターの階段や体育館を歩いて運動をしました。動きまわる子どもたちは、体育館でボール遊びやドレミマットの上を走ったり、大型三輪車に乗って人権交流センター内を走り回ったりして過ごしました。
お昼からは、プールや川遊びによく出かけました。プールや川遊びに出かけると、子どもたちの成長を実感することがよくあります。去年までは、水の中でピョンピョンはねるだけだったヒー君は、水の中で目を開けて体を浮かせることができるようになりました。また、コウちゃんもビート板を使って一人泳ぎの練習ができるようになりました。でも、ユウキ君は、なかなか水遊びが好きになれません。膝までは水に入りますが、腰までは入れません。そのため、ユウキ君の水着はいつも乾いています。
にこにこに来る子どもたちには様々なこだわりがあります。私たちは、そのこだわりが少なくなり、生活の幅が広がっていくように支援していますが、支援は無理に強いても効果はありません。いろいろな場面を設定して、見守って待つことも大切なことです。今はできなくても、突然にできることもあります。その突然に出くわすことが、今年の夏休みにはよくありました。ヒロ君は、山に登るのは好きではありません。毎年、夏休みには東吉野村の滝を見に行くのですが、以前は車から降りるのも嫌がりました。何回か行くうちに、車から降りるようにはなりましたが、滝までの山道を歩くことはありませんでした。しかし、8月のある日、滝を見に行ったとき、職員に手を引っ張ってもらいながら、鎖を持って滝まで上ることができました。
また、ヒー君は今まで絵本を見ることはありませんでした。でも、ある日突然、人権交流センターの図書コーナーの本を出してきて指をさし、読むように職員にせがみました。その日から、ヒー君は毎日のように本の読み聞かせをせがみ、その量もふえていきました。しかし、人権交流センター以外の場所では読み聞かせはできません。人権交流センターの図書コーナーのマッサージ機に座って、絵本を読んでもらうのが好きなのです。彼のこだわりが、場所にあるのか、イスにあるのかわかりませんが、ほかの場所でも本に親しむことができるように、気長に支援していきたいと思っています。
厳しい暑さの中で、にこにこを利用されている高齢者の中でも、カズ子さんが熱中症になって入院される等、体調を崩される利用者さんもいらっしゃいました。
気候と利用者さんの体調の変化、子どもたちの関心のちょっとした変化も見落とさず、これからも支援を続けていきたいと思っています。
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