にこにこ通信 64号

 お彼岸も過ぎて、学校が春休みに入りました。にこにこを利用している子どもたちは、1日中の利用になり、毎日5~6人の小学生から高校生がにぎやかに過ごしています。
 今年は、遅くまで寒い日が続いたり、一気に春の気候になったりと気温の差が激しかったので、体調を崩す子が多く急に高熱を出して休みの連絡が入るということも何回かありました。また、午前中は元気だったのに、午後になって急にぐったりして熱を測ると38度を超える体温になっていることもありました。言葉で自分の体調を伝えることができなかったり、高熱になっていても平気だったりする子が多いので、周りにいる大人が常に気を配る必要があります。
 熱があるから、保護者の方と連絡をとって家へ送ることにしても、いつもと違う時刻には帰ろうとしてくれません。急な変更に、苦手な子が多いです。仕方なく、お母さんが迎えに来られることもありました。その時も、まだ帰る時刻ではないので立ってくれず、お母さんとスタッフとでいろいろ声かけをしてやっと車に乗せるということがありました。力ずくで無理に立たせるのではなく、その子が、帰ろうという気になるまで、根気よく言葉で話しかけることが大切です。
 元気な子たちは、毎日散歩やドライブなどに出かけて春休みを楽しんでいます。
 にこにこの近くを散歩して、ご近所のおっちゃんやおばちゃんに声をかけてもらって、時間はかかるけれど、あいさつをすることができるようになった子もいます。ここにこの子がいることを知ってもらうことが、近所のおっちゃんやおばちゃんにしょうがいをもった子のことを理解してもらうきっかけになるのだと思っています。
 車で遠くまで出かけるときは、どんな所へ行くのかをパンフレットや雑誌の写真を見せて説明してから出かけます。これからすることの見通しを持たせてやることが、大切です。高取町の町家のひなめぐりでは、たくさんのおひなさまといっしょに写真を撮ってもらったり、市内のアニマルパークで長い滑り台で遊んだり、水平社博物館の見学にも行きました。
 そして、今年の春休みは外でご飯やおやつを食べることやお買い物に行くことを、たびたびやっています。自分の食べたいおやつを、スーパーやコンビニで選んで買ったり、ラーメン好きの子とスタッフが一緒にラーメンを食べに行ったりすることもあります。
 にこにこを利用している子どもたち一人ひとりにていねいに関わっていくことが、必要であり大事なことです。子どもたちが、近い将来いろんな意味で自立していけるようにサポートすることは、私たちの活動で大切にしていることのひとつでもあります