にこにこ通信 73号
デイサービスセンターにこにこの2月の歌は童謡の『春よ来い』です。
暖冬と予想されていたこの冬の寒さは全国的に厳しいものとなっています。宇陀市では、秋ごろからカメムシ(宇陀市あたりではオガと呼ぶ)が大量発生し、「オガが多いからこの冬は雪がたくさん降って寒いかもしれない」と巷間ささやかれていました。
冬になっても潜伏していたオガがどこからか姿を現すたびに「わー、オガや、カメムシや」「カメ、カメ~」とスタッフも利用者さんも大騒ぎです。やはり、カメムシは寒くなることを示していたのでしょうか?
そんな寒い今日この頃、本当に春が待ち遠しいというわけで、『春よ来い』の選曲となりました。
にこにこの新しい利用者のタカさんは、とてもきれい好きで几帳面な性格の持ち主です。昨年6月に薬の副作用からか路上で転倒され、3か月の入院となり、後遺症で記憶障害があります。自宅に帰ってもひとりで外出したら、自宅に帰れない可能性もあるということで、にこにこの生活介護を利用されるようになりました。
利用開始後の初期のころは、好きな折り鶴を折ってその精密さに皆が驚きました。しかもどんどん極小化していき、仕上がり寸法が5ミリぐらいの作品までつくられるようになり、高齢となって細かい作業が苦手になったエイコさんは感動して、手を合わせて拝むという光景もありました。
日常の身の回りの事も少しずつできるようになっていただくという目標のもと、リハビリもかねて洗濯物干しや掃除機かけ昼食時のあとかたづけなどを手伝っていただくようになるとその集中力と仕上がりの完璧さに皆が目を見張りました。
かつてのように、仕事に行きたいというご本人の希望が少しずつでも実現できるよう、障がい特性とうまく付き合える方法をタカさんと一緒に相談しながら支援をしています。
介護保険を使ってデイサービスに来られている、池さんと静さんも新しく利用を始められました。お二人とも日中一人で過ごす時間が長く、鬱傾向のある高齢者です。家庭的な落ち着いた雰囲気のにこにこを気に入られ、すぐになじまれました。筋力向上のプログラムにも積極的に参加していただき、自宅でも実践されているとお聞きしうれしく思っています。
利用者のお一人おひとりの状態に合わせた支援というのは、当たり前のことではありますが、現状から少しでも向上させていく、生活していく力を高めていくトータルな支援には、緊張感をもって試行錯誤することや情報収集、研究が求められます。これからも利用者さんとじっくり向き合いながらより良い支援を続けていきます。
暖かい春になったら、またあちこちのお花見にみんなででかけましょう。
「春よ来い、は~やく来い」
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