にこにこ通信 74号 ~やりがいがリハビリの特効薬!~

 近頃、デイサービスセンターにこにこでは、午後になるとコーヒーのいい香りがただよっています。生活介護でにこにこを利用されているタカさんが、スタッフといっしょにコーヒーを入れてくれるのです。ミルで豆をひき、ハンドドリップでていねいに入れてくれるコーヒーは、スタッフや利用者の方々にとても好評です。
 タカさんには、これまでもリハビリとして洗濯物干しや掃除機かけなどをやっていただいていましたが、コーヒーを入れる作業も加わりました。
 キッチンでスタッフが一緒にするのですが、ミルで豆をひくところから始める本格的な作業です。ペーパーをセットし粉になった豆を人数分入れて、ゆっくりお湯を注いでいきます。
 やりはじめた頃のタカさんは、ペーパーを「どうするんやった?」と聞いたりお湯を一気に入れてしまったりということが何回かありました。その都度スタッフが、ペーパーを折ってやり方を見せたり、「お湯はもっとゆっくり細く入れて」と声かけをしたりして、この頃では、一人で入れられるようになってきましたし、砂糖やミルクを入れるのかどうかを聞いたり、できたコーヒーを持って行き「おいしいわあ、ありがとう」と言ってもらって、会話も楽しめるようになってきました。先週は、来客の方にも飲んでいただきました。
 また、タカさんは農作業も手伝ってくれています。子どもたちやスタッフといっしょに、去年の秋に種まきをしたホウレンソウと大和まなの収穫をしました。泥のついた根を、ていねいに水洗いしてくれました。ホウレンソウはゴマ和えやソテーにして、大和まなは煮びたしにしてデイのお昼ご飯にみんなでいただきました。
 道沿いの畑を耕していると、近所の人が声をかけてくれたり、アドバイスをしてくれます。これからは、作る野菜の種類や量を増やしていきたいと考えています。
 3月の初めに種まきをした大根が小さな芽を出してきています。タカさんがビニールをかけてくれたおかげかもしれません。
 こんな風にタカさんも私たちもお互いに楽しみながら、タカさんが少しずつでもできることが増えていき、以前のように仕事がしたいという彼の希望が実現できるように、支援をしていきたいと思っています。
 春になって暖かくなってきたら、デイの利用者やスタッフが畑仕事の後に地域の人たちといっしょに、おいしいコーヒーを飲めるようになれば楽しいなと思います。