にこにこ通信 87号 ~思い出づくりに欠かせない写真、笑顔が撮れた一枚が嬉しい~

 にこにこでは、毎年たくさんの写真を撮ります。散歩中の何気ない風景や、季節の花を見に行った時の写真、毎月開かれる利用者さんのお誕生日会の様子や、公園やプールではしゃぐ子どもたちの姿、そして、毎年春になれば、にこにこの庭で立派に咲いた八重桜の下で、みんなで記念撮影をします。
 今ではすっかり仕事に慣れ、選挙に行ける年齢となったヒロさんが、まだ小学生だった頃の写真も残っています。体は大きく成長しましたが、昔から変わらず愛きょうのある素敵な笑顔です。
 先日、タカさんに手伝っていただき、たまっていた写真の整理をしました。徐々に増えていく思い出の詰まったアルバムの中には、私の知らないにこにこの歴史がたくさんありました。また、廊下やデイルームなど、普段から目に付く場所にもたくさんの写真が飾られており、利用者さんが足を止めては「えらい大きなったねぇ」「キレイやなぁ」と、様々な感想を聞かせていただいています。
 私がにこにこで働くようになってから、写真を撮らせていただく機会が増えました。利用者さんの中には写真を撮られるのが嫌いな方や、元気に動きまわってなかなかカメラに収まってくれない子もいます。思うように撮れないこともありますが、とびきりの笑顔が撮れた瞬間は、思わずこちらも笑顔になるほど嬉しいものです。
 利用者さんのお誕生月が近づくと、バースデーカード用に利用者さんの写真を撮らせていただくことがあります。ほんの数分のことですが、一年に一回の特別な写真なので、できるだけ良い笑顔を撮らせていただけるよう、何度もシャッターを切ってベストショットを狙います。
 また、ある土曜日には近くの山へ行き、子どもたちに写真を撮ってもらいました。ハヤくんとコウくんは、時にはおもちゃの取り合いや一番争いで喧嘩をすることもある関係ですが、ササユリをバックにお互いを撮り合う目はすごく真剣でした。ケンカするほど仲が良い、とはまさにこのこと。最後は仲良くツーショットで記念撮影をしました。
 にこにこで利用者さんとお話をしたり、児童館で子どもたちと遊んだり、パソコンと睨めっこをしたり、毎日いろんなことをしていると、あっという間に月日が経ち、写真を見て「懐かしいなぁ」と思うことが増えました。
 写真を撮るということは、利用者さんと職員との一瞬を切り取り、思い出を形にして残していく、とても貴重な作業です。たくさんの出会いと別れがあるからこそ、その一瞬一瞬をこれからも大事にして行きたいと思います。
 「また来年も撮らせてくださいね」何気ない一言ですが、利用者さんと私のとても大切な約束の言葉です。