にこにこ通信 90号 ~年に一度の宇太水分神社の祭りを楽しんだ一日~

 菟田野の宇太水分神社の祭りは、毎年10月の第三日曜日に開催されます。にこにこへ来ているヒロさんや大さんも、ずいぶん前からとても楽しみにされていました。
 今年も気持ちよく晴れた16日の日曜日、朝早くから乗り子の打つ太鼓の響きとともに、太鼓台がたくさんの人たちに担がれて動き出しました。
 ヒロさんも、にこにこのスタッフといっしょに法被を着て、ムラのおっちゃんたちと共に太鼓台の後をついて歩きました。「にこにこへ来てる子やなあ」と言って、手をつないでくれる人が何人もいてくださったことには、少しびっくりしました。ヒロさんも、はじめて会う人にもとまどうこともなく、手をつないで太鼓のリズムにのって歩いていました。途中の休憩のときには、お茶やあんぱんなどもいっしょにいただき、すっかりムラの人たちにとけこみお祭りを楽しんでいました。
 にこにこでは、天気の良い日は散歩に出かけることが多いので、地域の人たちと会う機会がたくさんあります。そのおかげで、祭りの時も、ヒロさんや大さんに声をかけてくださったり、手をつないでくださったりという関係が自然にできてきているのだなあと感じました。
 毎日、ここ何年か分の祭りの様子をタブレットで見ていた祭り大好きの大さんは、水分神社へ早くから来て太鼓台が来るのを待っていました。
 水分神社には、菟田野の各地から、きれいに化粧をして着飾った乗り子が太鼓を打ち鳴らし、担ぎ手の大きな掛け声とともに6台の太鼓台が担がれて来ます。この祭りでは、神社の境内で複数の太鼓台が大きく回る「練り回し」がクライマックスです。
 数年前までは、男性限定だった乗り子と担ぎ手ですが、今では女性も交じっていっしょに楽しんでいます。男女平等の観点から改善されたのではなく、少子高齢化に伴い、男性限定にすると人が集まらないという理由ではありますが、女性も男性もみんないっしょに地域の祭りを盛り上げ、楽しむのはとても自然な姿だと思います。
 車いすに乗っている方が太鼓台の練り回しを見ていたり、境内の一角に手話で話をされているグループがあったり、高齢の方が孫さんやひ孫さんと思える小さい子どもたちといっしょに家族連れで屋台のたこ焼き屋で並んでいたり、都会から久しぶりに帰省して、小学校の同級生とおしゃべりを楽しんでいる人がいたりして、しょうがいがあってもなくても、女性も男性も、おとなも子どもも、高齢者もいろいろな形で年に一度の祭りを楽しんだ一日でした。