にこにこ通信 93号
にこにこでは、朝の始まりと夕方の終わりの会に利用者さんとスタッフのみんなで歌を歌っています。
1月の「今月の歌」は、『スキー』です。♪山は白銀 朝日を浴びて 滑るスキーの風切る速さ……♪
にこにこ利用者の年齢が7歳から89歳と大きく幅があり歌の選択には毎月苦労するのですが、季節感重視で『スキー』を選んだところ、30代、40代のトシさん、サチさん、タカシさん、トシミさんは「聞いたことがない!!」との反応だったので驚きました。
しかも歌をリードする役割のスタッフも若い世代は皆知らないとのことで、世代間ギャップを痛感しました。当然のことながら、月曜から金曜まで毎日ご利用されている古株の70代、タケさんがよくご存じでリードボーカルを務めてくださっています。学校の音楽の教科書で習ったかどうかで世代が分かれるようですが、なんと7歳のコウくんが、知っていて歌えるとわかりました。ドライブや送迎中にかかるCDに入っていて、1~2回聞くと、メロディーや歌詞をすべて覚えるとのことでした。1月末に若い世代の方が『スキー』を歌えるようになることが一つの目標となりました。
午後から恒例のカラオケタイムで、タケさんの最近のお気に入りは、吉幾三の『おら東京さ行ぐだ』です。1985(昭和59年)年に発表された楽曲で、当然タケさんもご存じだったと思われるのですが「聞いたことがない!!」とのことでした。もともとこの曲は、今年19歳のヒロさんの大のお気に入りの曲でもあり、タブレットやドライブ中のCDなどで延々と流れ続けていて、平成生まれのスタッフも聞いたことがなかったのを、毎日聞き続ける中で覚えてしまったというエピソードがあります。
カラオケタイムで「歌ってよ!」と声がかかった際にそのスタッフが歌ったのが『おら東京さ行ぐだ』で、それをマスターしようと約3か月、毎日練習してタケさんの持ち歌となりました。
デイサービスセンターにこにこは今年10月で開設10年を迎えます。高齢の方、障がいをもつ大人の方や子どもたちとともに生き生きとした笑顔あふれる毎日がおくれることをめざして運営を行ってきました。
歌を一例に挙げてもこんなふうに7歳から80代の方が住み慣れた地域で、ひととき同じ時間を過ごして笑顔を交歓しておられます。一人暮らしの高齢の方が、加齢によるいろいろな生活のしづらさを乗り越えながら、さまざまな病気を経て障がいを持つこととなった方々と「がんばろうね」と手を握り合って励ましあうお姿を拝見し、そんな場面に同席させていただける機会に恵まれたことが職員の励みとなっています。
中学からにこにこを利用し今月誕生日を迎え22歳になる大ちゃんが毎日歌っている大好きな歌は、『BELIEVE』です。ときどきにこにこ通信に登場するお祭り大好き人間です。
♪たとえば君が傷ついてくじけそうになった時は かならずぼくが そばにいて ささえてあげるよ その肩を……悲しみや苦しみが いつの日か喜びに変わるだろう アイ ビリーブ イン フューチャー 信じてる♪
利用者さん同士、利用者さんとスタッフの心が通い合えるデイサービス、支えあえる事業所の運営を今年も目指していきます。
〈日本音楽著作権協会(出)許諾第1701023-701〉
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