にこにこ通信 100号 ~作品「ともだち」が優秀賞に選ばれて~

 7月31日に橿原文化会館で、部落差別等撤廃と人権確立を目指す奈良県民集会が開催され、その中で第19回「私の見た人権」フォトコンテストの表彰式が行われました。にこにこの職員が撮った『ともだち』というタイトルの写真が、優秀賞に選ばれ、モデルになったヒロさんとアユくんが参加しました。この写真は、ショートステイを利用した時の2人の様子を撮ったものです。
 控室で待っている間に少し退屈したヒロさんは、職員とホールの客席へ移動し、表彰式には、写真を撮影した職員とアユくんが出ることにしました。大勢の人やにぎやかな事が苦手なアユくんは、緊張した顔つきで職員の手をしっかり握って舞台に登壇しました。
 川口議長から、表彰状の授与のときには、アユくんは緊張しながらも笑顔で受け取ることができました。握手をしてもらった時には、すっかりリラックスしている様子でした。その後、他の受賞者の方々といっしょに記念撮影した際は、客席にいるヒロさんに少し気を取られながらも、みなさんと共に笑顔で写真におさまりました。
 たくさんの人の前で、表彰状をいただくという、めったに経験できないようなことを体験できたことは、アユくんにとってとても貴重なことだったと思います。
 ヒロさんが4月から入所しているグループホームにこにこで、アユくんは週2~3回ショートステイを利用するので、2人はいっしょにご飯を食べたり、お風呂にはいったりしていて、今ではお互いにかけがえのない友だちです。
 19歳のヒロさんと14歳のアユくんが、知り合えたこと、すっかり打ち解けた関係になれたことのきっかけは、にこにこです。年齢も住んでいる所も違う2人が、よい関係を作れたことに関われたことは、にこにこの職員にとってうれしいことだと思っています。
 今、夏休み中なので、小学生や中学生たちが放課後等デイサービスを利用するとき、ヒロさんやアユくんといっしょに日中を過ごしています。ここで過ごしている子どもたちが、たくさんの人たちと関わるなかでよい関係を作ったり、様々な体験ができることを目標に支援しています。
 デイサービスセンターにこにこの玄関に、5年前のフォトコンテストで優秀賞と佳作をいただいた表彰状をかけてあります。また、新たな表彰状が増えました。これからもいろいろなシーンを切り撮って、みなさまに届けたいと思っています。