にこにこ通信 117号 ~支える人と支えられる人は対等でないとアカン ー 映画を見て自らの活動を振り返る~
年末に公開された映画『こんな夜更けにバナナかよ』を見てきました。内容は、筋ジストロフィーの方のひとり暮らしを、たくさんのボランティアが支えているという話なのですが、映画を見ながら一つ一つの場面で泣いたり笑ったりしながら、自分の今までやってきたことや、今やっている事、そしてこれからやっていこうとしていることなどを考えました。
映画の中で主人公の鹿野さんが「オレとボランティアは、対等なんだよ」と言う場面があるのですが、「そうなんや。支える人と支えられる人は、対等でないとアカンよな」と思いました。
20年近く前、地域でしょうがい者支援のボランティアをしていたことがあり、その時に作っていた機関紙の名前がパラレルだったと思いだしました。しょうがい者とボランティア、女性と男性、外国の人と日本人、子どもとおとなの関係がパラレルな関係であったらええなあということで、機関紙を発行していました。一定の距離を保ちながら、お互いに関わり合っていける関係、支え合える関係が、理想的だなと思っています。
鹿野さんは、ひとりでは寝返りもできないので生活全般に人の支援が必要ですが、家族と離れてひとり暮らしをしています。「親には、親の人生がある。親には自分の人生を生きてほしいし、自分も自分の夢を実現できるような生活をしていきたい」と言われていました。
鹿野さんの夢は、英検2級をとってアメリカへ行きたいこと、もうひとつは有名になって「徹子の部屋」に出演したいというものでした。そのための努力を一生懸命にされていました。また、鹿野さんはボランティアの女性の悩みにアドバイスをして、支える側の立場にもなられていました。
「年をとっても、どんなに重いしょうがいがあっても地域でいきいきと楽しく暮らしたいというのは、誰もが持っている願いであり、当たり前の権利です。自己決定・自己選択を尊重した、高齢者やしょうがい者支援に向け、おひとりおひとりの願いに寄り添いながら活動を行っています。」というのは、八木一男福祉会の理念の一部です。鹿野さんの思いと重なる部分があると思いました。
重いテーマの映画ではありますが、いろいろなエピソードが織り込まれていて、深刻にならず楽しめました。
機会があれば、ごらんになられることを勧めます。
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