にこにこ通信 123号 ~利用者さんの何気ない日常を支援~

 デイサービスセンターにこにこは、高齢者だけではなくしょうがいのある方もいっしょに利用されているデイサービスです。80代後半から、20代の方まで、毎日利用されている方や、週何回かの方もいらっしゃいます。それぞれの利用者が、お互いの利用日や来所時刻をご存じで、「今日は、大ちゃんが来る日やな」とか「10時になったら、トシさんが来るなあ」などと話されています。

 来所されると、手洗いうがいをしていただいて、体温・血圧・脈拍の測定をします。「今日は、血圧がちょっと高めですね」や、「夕べあんまり眠れへんかってん」との会話をしながら、体調をうかがいます。

 バイタル測定の後は、入浴介助が必要な方にはスタッフが介助して入浴していただき、一人で出来る方は一人で入浴していただきます。それぞれお湯の温度に好みがあるので、お一人おひとりお湯を替えて入っていただいています。

 入浴の後は、ビデオを見ながら軽い体操をします。気分がのらずやりたくない人には、無理に誘いません。後は、昼食の時間まで、みなさんそれぞれ新聞を読んだり、利用者さん同士でおしゃべりを楽しんだり、スタッフと将棋やオセロゲームをしたり、坊主めくりをすることもあります。テレビがお好きな方は、お昼前の嚥下体操までテレビをご覧になっていらっしゃることもあります。

 毎日ご利用されている30代の方は、タブレットでゲームをされたり、プラモデルを作ったり、ご自分の世界を大切にされています。時々、スタッフや他の利用者さんと、ゲームやアニメの話で盛り上がることもあります。

 お昼前の11時半ころには、みなさんそろって嚥下体操という誤嚥を予防する体操をします。「パタカラ、パタカラ」とみんなで声を出します。

 昼食は、調理担当のスタッフが台所で作っているので、嚥下体操をしている所にもおいしそうな匂いがしてきます。特に栄養士がいるわけではありませんが、旬の野菜を中心とした栄養バランスに配慮した献立を考えています。ひとり暮らしの方は、大勢で食べるのはデイの昼食だけなので「みんなで食べたらおいしいな」とおっしゃっています。

 午後は、体操をしたりカラオケを楽しんだり、おやつを食べたりしてそれぞれの過ごし方をされます。

 いつも利用されている方が、体調を崩されて入院されり、お休みされたりすると、「どうやろな、もうじき来られるかな」と心配されている会話が聞こえてきます。

 季節の行事やお誕生会などのちょっとしたお楽しみ会も行いますが、普段は特に何をするということもなく、毎日それぞれご自分のペースで過ごしていただいています。

 このように、何気ない日常がずうと続いていくことを支援するのも、デイサービスの役割だと考えています。