にこにこ通信 130号 ~利用者の興味のあることと、好きなものを知ることが大切~
2月から放課後等デイサービスの利用を始めたイオ君は、地域の小学校へ通っている2年生です。
デイサービスセンターにこにこがある宇陀では、連日の朝の気温がマイナスになっていた2月1日、靴下をはかずジャンパーの下はTシャツ1枚という服装で元気にやってきました。部屋へはいるとすぐにジャンパーを脱いでしまって、平気な顔をしていました。
「イオ君、おはよう」と声をかけても、下を向いて返事をしてくれません。スタッフが何回か繰り返すとやっと「おはよう」と返してくれました。カバンの中から、マスコットを出してきて遊びだしたので、そのキャラクターの事を聞くと、また黙ってしまいました。別のスタッフがキャラクターの名前を言うとちょっとうれしそうに「そうやで。知ってるん?」と笑顔になりました。「何曜日の何時から何チャンネルで、やってるの」と聞くと、ちょっと呆れた顔で「テレビと違うし」と言われてしまいました。60歳を過ぎたおばさんにとっては、子どものお気に入りのキャラクターというのはテレビ番組のキャラクターしか思いつかないものです。「コミックやんなあ」と若いスタッフがイオ君に話しかけて、「そうやで」と応じて、それまではあまり話してくれなかったのに、そのコミックに登場する人物の関係を細かく説明してくれました。
一通り、その話をした後で、宿題をしなければならないことを思い出して漢字ドリルを取り出しました。同じ部屋で他の子たちがテレビでゲームをしたり、カードで遊んだりしているのでなかなか宿題に集中できません。仕方ないので、「漢字ドリルだけして、算数は家ですることにしよう」と提案して漢字の宿題を完成させました。
はじめは、なかなか話をしてくれなかったイオ君でしたが、コミックの話をしたり、一緒に勉強する中で、今日のお弁当は中学生のお兄ちゃんが作ってくれたことや、お父さんの仕事の事などを話してくれました。
お弁当を一緒にたべて、午後はみんなでドライブして、すっかりうちとけてくれたイオ君でした。夕方帰る時に「また、いろいろ教えてな」と声をかけると「わかった!」と笑顔をむけてくれました。
利用者それぞれの興味のあること、好きなことを知っておいて、そしてそれを使ってコミュニケーションを持つことが大事なんだなと実感した1日でした。
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