にこにこ通信 134号 ~好きなものを大切に ハル君の好きなもの~
6月に入り、すでに気温が30度以上の猛暑日が続いたり、梅雨入り宣言がされたり、毎日気候は目まぐるしく変わっています。宇陀市内では、新型コロナウイルスの拡大が収まりつつある事から、分散登校という形で徐々に学校が再開され始めました。
子どもたちは久しぶりにお友だちや学校の先生に会えるのを喜ぶのかと思いきや、予期せぬ長期休みにすっかり遊びムードで、学校へ行くのを嫌がる子どもも少なくありません。にこにこへ来る子どもたちは、毎朝学校の宿題や家から持参した自主学習に取り組んでいますが、元々学校の授業についていけていなかったり、自宅でのんびりと過ごすことに慣れてしまった事で勉強するのが嫌になり、以前にも増して勉強に対する集中力が低下しているように感じました。
そのうちの一人、小学三年生のハル君は、国語や算数の勉強は嫌いですが虫や魚などの生き物が大好きで、とても物知りです。普段から本や動画やゲームで様々な知識を得ているそうで、私たちが知らないような生き物の名前や難しい言葉をたくさん知っています。学校へお迎えに行った時も、先生と外で虫を探していたり、車内ではいつもハル君の生き物講座が繰り広げられています。
普段は「聞いて聞いて」と言って、やらなければならないことを後回しにして、自分の話を一方的に話し続けてしまうハル君ですが、スタッフが生き物の名前の由来や生態などについて質問すると、ハル君が知っていることを丁寧に説明してくれます。また、知らないことであっても「知らない」「わからない」だけで終わらずに「〇〇じゃないかなぁ」と自分なりに考えたことを教えてくれます。
ある日、スタッフが「宿題が終わったら公園に行って虫捕りをしよう」とハル君に提案しました。すると、ハル君はいつものように嫌がる様子もなく、驚くほどすんなりと宿題に取り掛かり、あっという間に宿題を終わらせてしまいました。そして、約束通りみんなと公園に行ったハル君は、捕まえた様々な虫をカゴの中に入れて、一人で昆虫観察をしていました。
勉強はすぐに「わからへん!」と言って投げ出してしまうハル君ですが、好きなことに対する熱意は誰にも負けません。勉強を頑張ることももちろん大切ですが、子どもたちの好きなことや得意なことにも目を向けて、その両方を上手く伸ばしていけるような支援を今後も目指したいと思います。
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