にこにこ通信 16号
10月17日、18日に富山市富山国際会議場で開催された「第4回地域共生ホーム全国セミナーinとやま」に参加しました。「富山型デイサービス」を学ぼうとしている人、実践している人など約800人が集まりました。
「富山型デイサービス」というのは、1993年に3人の元看護師が富山県ではじめての民間デイサービスとしてはじめたデイサービスで、高齢者もしょうがい者も子どもも赤ちゃんもみんないっしょに日中を過ごすデイサービスのことです。どんなに高齢になっても、しょうがいがあっても地域で当たり前に過ごすことをサポートしようというものです。
富山型デイサービスの効用は、高齢者にとっては子どもと触れあうことで自分の役割を見つけ、意欲が高まることによる日常生活の改善や会話の促進、しょうがい者にとっては居場所ができることで、自分なりの役割を見出し、それが自立へとつながっていく効果、子どもにとってはお年寄りやしょうがい者など他人への思いやりや優しさを身につける教育面の効果、地域にとっては地域住民が持ちかけてくる様々な相談に応じる、地域住民の福祉拠点としての効果などを富山県知事石井隆一氏は、あげておられました。
セミナーでは、実際に富山型デイサービスを運営している人たち、利用している人たち、また、そこで働いているしょうがいのある人たちが、それぞれの立場から本音を語ってくれました。それぞれの立場で話をされるのですが、みなさんに共通していることは、みんないきいきと楽しそうに日常を語られることです。
「親子じゃないけど家族です」というのは、「デイケアハウスにぎやか」のキャッチフレーズです。住み慣れた地域で、いろんな人がいっしょに自宅のように過ごせる家庭的な雰囲気でというのが、富山型デイサービスです。
「デイサービスセンターにこにこ」も、住宅地にあり高齢者もしょうがい者も養護学校へ通っている子どもたちも一緒に日常を過ごしています。散歩に出ると近所の方々が声をかけてくださり、立ち話に花が咲くこともしばしばです。地域共生ケアというとなにやら大層なことのようですが、みんないっしょに気楽にのんびりとやりたいことをやれるように、できる人がちょっとお手伝いすることなのだと感じました。
また、上野千鶴子東京大学教授の「おひとりさまの老後を支える」という記念講演もあり、自分が高齢者になったとき、どこでだれとどのように暮らしたいかを考えるきっかけにもなったセミナーでした。
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